検事の転勤・異動|全国転勤の頻度と、家族との暮らし方

検事の転勤・異動の流れと家族との暮らし方を紹介する記事のアイキャッチ。官庁街を背景にした机の上の地図と書類

当サイトの記事は編集部が法令や法務省・検察庁・最高裁判所などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。個別の事件や法律相談には対応していません。記事内に司法試験・予備試験の情報や対策講座への案内を含む場合があります。

検事に興味はあるけれど、『全国転勤って、どれくらいの頻度で引っ越すの?』と気になっている方は多いですよね。家族のことを考えると、なおさら知っておきたいところです。

結論から言うと、検事の転勤は全国規模で、若手のうちは決まった流れに沿って異動していきます。検察庁の採用サイトでは、任官から数年は「公平性を重視した異動」、その後は「適性や希望を踏まえた配置」と説明されています。

この記事を読むと、検事の異動のモデル年表と、転勤と暮らしの段取りで確かめておきたいことが分かります。

目次

検事の転勤は全国?まず押さえたい基本

先に結論

検事は国家公務員なので、全国転勤があります。若手の時期は、いろいろな事件を経験するために異動の流れが決まっていて、その後は本人の適性や希望も踏まえて配置されます。

検察庁の検事採用サイトには、次のように書かれています。

検事は国家公務員であるため、全国転勤となりますが、上にも記載したとおり、A庁検事までは公平性を重視した異動形態、シニア検事(A庁明け検事)以降は、適性や希望を踏まえた配置が行われます。

出典:検察庁 検事採用情報サイト「研修・キャリア」

「A庁」という言葉が出てきましたね。これは、東京ブロック(東京本庁、同庁立川支部、横浜、さいたま、千葉)と、大阪、京都、神戸、名古屋の9庁のことです。

『なぜわざわざ全国を回るの?』と思うかもしれません。採用サイトでは、様々な事件を担当して見識を深めてもらうため、と説明されています。

検事という仕事そのものは、検事とは?検察官との関係・仕事・なり方で紹介しています。

検事の異動はどう進む?任官後のモデル年表

若手の数年は「育てるための異動」

採用サイトのキャリアモデルでは、1年目、2〜3年目、4〜5年目と、段階ごとに勤務する庁が変わっていきます。

ここが、この記事でいちばん知ってほしいところです。採用サイトのキャリアモデル図をもとに、任官後の数年を「どこで、何をするか」の年表にしました。

検事の任官後のキャリアを、新任検事からシニア検事までの段階ごとに示した図解
時期呼び方勤務する庁(モデル)担当すること
1年目新任検事研修の後、東京本庁・立川支部・横浜・さいたま・千葉・大阪・京都・神戸・名古屋・福岡のいずれか刑事事件の捜査と公判
2〜3年目新任明け検事A庁以外の地検本庁、または大規模支部捜査と公判を幅広く担当
4〜5年目A庁検事A庁(東京ブロックなら2年のうち1年は東京地検本庁、もう1年は周辺のA庁)より多様な事件を担当
6年目以降シニア検事適性や希望を踏まえて、各検察庁・法務省や他省庁・留学など経験を積んだ後、幹部職などへ

採用サイトによると、任官直後から刑事事件の捜査・公判を任されるそうです。1年目は、法務総合研究所による導入研修を受けてから配属されます。

異動の頻度は何年ごと?

「検事は何年ごとに転勤するの?」は、よく聞かれる質問です。ただ、異動の周期を「○年ごと」と一般的に決めた公的な説明は、この記事の調査では見つけられませんでした。

採用サイトの別の異動例では、1年目、2〜3年目、4〜5年目と、おおむね1〜2年の単位で勤務する庁が変わっています。若手のうちは、このくらいの間隔で動くイメージを持っておくと良さそうです。

補足

年表は採用サイトのキャリアモデル(例)をもとにしたもので、全員が同じ流れになるとは限りません。実際の配置は、その時の状況によって変わります。

役職や階級の流れは、検事の階級・役職一覧で詳しく紹介しています。

検察官の人事・人事異動で知っておきたいこと

人事は法務省が担当

検察官の採用に関する事務は、法務省の人事課が取り扱っています。弁護士から検事になった人も、その後は同期の検事の例に準じて異動します。

検察官の人事は、検察庁の中だけで決まるものではないんです。検察庁のホームページでは、検察官の採用に関する事務は法務省の人事課が取り扱うとされています。

検察庁の外で働くこともある

検事の人事異動は、検察庁から検察庁への移動だけではありません。採用サイトでは、検事の職域は広く、検察庁のほかに様々な組織で活躍していると紹介されています。

勤務先の例採用サイトなどで紹介されている仕事
地方検察庁・区検察庁など刑事事件の捜査・公判
法務省刑事法の立案、国の裁判を担当する訟務
他の省庁財務省での業務など
国際的な仕事国際捜査の支援

例えば、法務省で国の裁判を担当する「訟務検事」もその一つです。検察官の異動の行き先には、こうした仕事も含まれているんですね。

弁護士から検事になった場合の異動

法務省は、弁護士から検事になる人の初任地について、次のように説明しています。

初任地は、本人の希望、家族状況、充員状況等を考慮して決定し、その後は同期の検事の例に準じて異動を行う

出典:法務省「弁護士からの検事任官・検事への再任官を検討中の方へ」

つまり、最初の勤務地は家族の事情も考えて決められ、その後はほかの検事と同じように異動していく形です。弁護士として働いてから検事を考えている方は、この点を知っておくと計画が立てやすいですよ。

同じ地検の中で部が変わることも

人事異動というと引っ越しを思い浮かべますよね。ただ、検察庁の中には刑事部や公判部などの部があり、仕事の担当が変わることもありえます。

部の中身は庁の規模によって変わる、と検察庁のホームページでは説明されています。

検察官の留学・海外赴任はある?

留学や在外研究の例がある

採用サイトの異動例には、1年間の米国留学や、2年間の長期在外研究が示されています。シニア検事以降の経験の一つとして、留学が挙げられています。

「検事の留学」と聞くと意外に感じる方もいるかもしれません。実は、採用サイトのキャリアモデルには、留学や在外研究の例がはっきり示されているんです。

採用サイトに出てくる例期間(例)
米国留学1年間
長期在外研究2年間
本省(法務省刑事局)への異動異動例の中に記載
産休育休1年

検察官の海外赴任については、「国際捜査の支援」という仕事が採用サイトで紹介されています。ただ、海外での勤務の人数や行き先を公表した数字は、この記事の調査では確認できませんでした。

『英語ができないと検事になれないの?』と心配する方もいますよね。採用サイトの研修の説明には、任官した検事全員が受ける研修のほか、適性に応じた研修があると書かれています。語学の条件を定めた説明は見当たりませんでした。

留学や海外の経験に興味がある人が確かめたいこと
  • シニア検事以降のキャリアの選び方を説明会で聞く
  • 留学や在外研究の選ばれ方を聞く
  • 国際的な仕事に関わる部署の例を聞く

転勤と家族・暮らしの段取りをどう考える?

「いつ、どこへ」を先に想像しておく

若手の時期の異動の流れが分かっていると、住まいや家族の予定も立てやすくなります。分からないことは、説明会で直接聞いておくのがおすすめです。

全国転勤と聞くと、『結婚や子育てと両立できるのかな』と不安になりますよね。採用サイトの「Work&Life」には、女性検事や、育休を経験した男性検事のインタビューが載っています。

検察官の官舎はある?

転勤が多い仕事だと、住まいが気になります。ただ、検察官の官舎(国家公務員の宿舎)の有無や入居の条件について、検察庁が一般向けに説明したページは、この記事の調査では確認できませんでした。

検察官の俸給等に関する法律の条文には、手当の名前として「住居手当」「広域異動手当」が出てきます。具体的な扱いは、説明会や人事の担当に確かめてみてください。

段階ごとの暮らしのイメージ

モデル年表をもとに、暮らしの面で考えておきたいことを段階ごとに並べてみました。

時期暮らしで考えておきたいこと
1年目研修の後に大きな庁へ配属される。初めての引っ越しになる人もいる
2〜3年目A庁以外の地検へ移る。都市部から離れた土地で暮らすこともある
4〜5年目A庁へ戻る。東京ブロックなら、2年のうちに東京本庁と周辺の庁を経験する
6年目以降適性や希望を踏まえた配置になる。希望を伝える方法を知っておきたい段階

転勤と暮らしのチェックリスト

転勤と暮らしの段取りで確かめておきたいことを、時期・住まい・家族の3つに分けて示した図解
転勤を考える時に確かめておきたいこと
  • 1年目から5年目までの異動のモデルを見ておく
  • 住まい(官舎や手当)の扱いを説明会で聞く
  • 家族の仕事や学校の予定と、異動の時期を重ねて考える
  • 育児休業を取った人の働き方の例を聞く
  • シニア検事以降に希望を伝える方法を聞く

「家族と一緒に引っ越すか、単身で行くか」は、家庭ごとに答えが違います。モデル年表を見ながら、家族と早めに話し合っておくと安心ですよ。

「2〜3年目は地方の庁かもしれないけど、どうする?」
「4〜5年目には大きな庁に戻る流れみたいだね」

こんなふうに、時期ごとに具体的に話してみると、決めることがはっきりしてきます。

働き方や忙しさの波は、検事の働き方は激務?でまとめています。

よくある疑問:検事の異動について寄せられる質問

Q&Aサイトでよく見る疑問に答えます

検事の異動の間隔や、結婚した場合の異動、事務官との組み合わせについての質問は、多く読まれています。要約して、公的な情報で分かる範囲で答えます。

「検事は、だいたい何年で異動になる?」

いちばん多く読まれていたのが、この質問です。公的に「○年ごと」と決めた説明は見つかりませんでした。

採用サイトのキャリアモデルでは、1年目、2〜3年目、4〜5年目と、若手のうちはおおむね1〜2年単位で庁が変わる例が示されています。6年目以降は、適性や希望を踏まえた配置です。

「検事同士で結婚したら、二人そろって異動できる?」

これも気になる方が多い質問ですよね。夫婦の検事の配置について、検察庁や法務省が一般向けに説明したページは、この記事の調査では確認できませんでした。

採用サイトでは、シニア検事以降は適性や希望を踏まえた配置が行われるとされています。家族の事情は、説明会や人事の担当に早めに相談してみてください。

「検事と検察事務官は、ずっと同じ人が組むの?」

検察庁のパンフレットでは、立会事務官は検察官とペアになって「二人三脚」で仕事をすると紹介されています。ただ、組み合わせの決まり方や期間を説明した公的な情報は見つけられませんでした。

検事は全国転勤ですが、検察事務官の採用や異動の仕組みは別です。詳しくは検察事務官とは?で紹介しています。

転勤のある働き方を知ったうえで、検事を目指すなら

検事の転勤は全国規模ですが、若手の時期の流れは採用サイトで公開されています。先が見えると、不安もだいぶ小さくなりますよね。

検事になる道のりは、検事になるには?検察官になるまでの道のりで紹介しています。

検事になるまでの大まかな流れ
  1. 司法試験(または予備試験を経て司法試験)に合格する
  2. 司法修習を受け、検察修習で検事の仕事を体験する
  3. 検事に採用され、新任検事として配属される

入口は司法試験(または予備試験)です。転勤を含めた働き方に納得できそうなら、早めに試験の全体像と勉強の進め方を知っておくと、選択肢が広がりますよ。

司法試験・予備試験の情報

検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から

検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。

無料司法試験・予備試験の案内を見る

試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。

よくある質問

検事の転勤は全国ですか?

はい。検察庁の採用サイトでは、検事は国家公務員なので全国転勤になると説明されています。若手の時期は公平性を重視した異動、シニア検事以降は適性や希望を踏まえた配置です。

検事は何年ごとに異動しますか?

「○年ごと」と決めた公的な説明は見つかりませんでした。採用サイトのキャリアモデルでは、若手のうちはおおむね1〜2年単位で勤務する庁が変わる例が示されています。

検事が留学することはありますか?

採用サイトの異動例には、1年間の米国留学や2年間の長期在外研究が示されています。シニア検事以降の経験の一つとして留学が挙げられています。

検察官の官舎はありますか?

官舎の有無や入居の条件を説明した検察庁の一般向けページは、この記事の調査では確認できませんでした。説明会や人事の担当に確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 検事は国家公務員で、全国転勤がある
  • 若手の時期は新任検事、新任明け検事、A庁検事と流れが決まっている
  • シニア検事以降は適性や希望を踏まえ、法務省や留学などの道もある
  • 異動の周期を「○年ごと」と決めた公的な説明はない
  • 官舎や家族の事情は、説明会や人事の担当に早めに確かめる
検事ドットコム

検事ドットコム 編集部

検事・検察官の仕事や役職、検事・副検事・検察事務官のなり方と試験、送致・起訴・公判といった刑事手続きのしくみを、法令と公的機関の情報をもとにわかりやすく整理している情報サイトです。 公式サイト

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