検事になるには?検察官になるまでの道のり・年数・必要な資格

検事になるまでの道のり・年数・必要な資格を紹介する記事のアイキャッチ。勉強机の法律書とノート

当サイトの記事は編集部が法令や法務省・検察庁・最高裁判所などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。個別の事件や法律相談には対応していません。記事内に司法試験・予備試験の情報や対策講座への案内を含む場合があります。

ニュースで検察官を見て興味がわいた、将来の仕事として本気で考え始めた。そんな時に『検事になるには、まず何から始めればいいの?』と迷う方も多いはずです。

結論から言うと、検事になるには、司法試験に合格し、約1年の司法修習を終えて採用されるのが基本の道です。もう一つ、検察事務官などから副検事になり、試験を経て検事になる道もあります。

この記事を読めば、2つの道のりと年数の目安、必要な資格、今の立場から始めることが分かります。

目次

検事になるには?まず押さえたい「資格」の話

先に結論

検察庁は「検事になるためには、司法試験に合格する必要があります」と説明しています。司法試験に受かった後、司法修習を終えると、検事・裁判官・弁護士のどれかになる資格が得られます。検事になるには、そこからさらに採用されることが必要です。

「検事」と「検察官」の関係から、かんたんに触れておきますね。

検察官は、検事総長・次長検事・検事長・検事・副検事の5つをまとめた呼び名です。この記事では、その中の「検事」になる道を中心に見ていきます。

呼び方の違いが気になる方は、検察官と検事の違いもあわせてどうぞ。

検事になれる資格は法律で決まっている

検察庁法の第18条第1項は、検事・副検事に任命できる人を決めています。かみくだくと、次の3つです。

検察庁法での資格かみくだくと主な入口
司法修習生の修習を終えた者司法試験に受かり、司法修習を終えた人法科大学院・予備試験
裁判官の職に在つた者裁判官をしていた人司法修習の後に裁判官になった人
3年以上、大学で法律学の教授・准教授だった人大学院のある大学などで法律を教えていた人研究者の道

これとは別に、同じ法律の第18条第3項で、3年以上副検事を務めて試験に受かった人も検事に任命できるとされています。

検察庁のQ&Aでは、これらに「弁護士」も加えて、検事になる資格を持つ人を並べています。弁護士はふつう、司法修習を終えた人にあたります。

弁護士から検事になる道もある

法務省は、弁護士からの検事任官を受け付けています。応募の目安は「弁護士経験が概ね3年ないし15年程度の者であって、検事として少なくとも3年程度は勤務し得る者」です。選考は書類審査と面接試験で行われます。くわしくは元検事の弁護士と、弁護士から検事になる道で紹介しています。

検察官になるには年齢制限や学歴はある?

ここでの結論

検察庁は「年齢については特段の制限はありません」「学歴についての制限はありません」と説明しています。ただし、法科大学院を修了しているかどうかで、受ける試験の種類が変わることがあります。

『もう若くないし、今から目指しても遅いのでは』と心配になりますよね。

実は、検察官の年齢制限は、検察庁の公式な説明では「特段の制限はありません」とされているんです。司法試験の受験資格にも、年齢の決まりはありません。

検察官には何歳からなれる?

検察官に何歳からなれるかは、決まった年齢があるわけではありません。司法試験に受かって司法修習を終えれば、その時点で資格がそろいます。

参考になるのが、法務省が期ごとに出している新任検事の発表です。任官した人の平均年齢と、最年長・最年少の年齢が載っています。

期任官日任官者数平均年齢(任官日現在)最年長/最年少
第78期令和8年3月26日68人26.3歳36歳/23歳
第77期令和7年3月27日82人25.8歳33歳/23歳
第76期令和5年12月14日76人27.5歳43歳/22歳

出典は法務省「第78期検事任官者について」などの各期の発表です。平均は20代半ばですが、30代・40代で任官した人もいることが分かります。

司法試験の合格者の年齢も見ておきましょう。法務省によると、令和7年の合格者は平均26.8歳、最高69歳、最低18歳でした(令和7年12月末現在)。

年齢や学歴が気になる人が確かめたいこと
  • 検察庁の説明では、年齢・学歴の制限はないと書かれている
  • 法科大学院に行かない場合は、予備試験から司法試験の受験資格を得られる
  • 予備試験は受験資格の制限がなく、誰でも受けられる
  • 新任検事の年齢は、法務省の各期の発表で確かめられる

大学や学部の選び方は、検察官になるには大学・学部はどこ?で立場別にまとめています。

2本の道のりで見る、検事になるまでの年数の目安

ここでの結論

検事になる道は、大きく「司法試験ルート」と「副検事から検事になるルート」の2本です。前者は司法試験と司法修習、後者は公務員としての経験と2回の選考が中心になります。かかる年数の目安も、道のりごとに大きく違います。

『検察官にはどうやってなるのか、全体の地図がほしい』という方も多いはずです。ここでは2本の道を並べて、年数の目安を公的な情報で見ていきますね。

検事になる2本の道のり(司法試験ルートと副検事から検事になるルート)の順番を並べた図解

道のり1:司法試験ルート

いちばん多くの人が通るのが、この道です。司法試験を受けるための入口は、法務省の説明では3つあります。

  1. 法科大学院を修了する
  2. 司法試験予備試験に合格する
  3. 法科大学院に在学中、学長の認定を受けて受験する(令和5年の司法試験から)

法科大学院には、法学を学んだ人向けの2年コースと、主に法学未修者向けの3年コースがあります。大学の学部で法律を学んでいない人や、社会人も入れる仕組みです。

「法曹コース」を修了すると、大学を3年で早く卒業して、法科大学院の既修者コース(2年)に進めます。いわゆる「3プラス2」と呼ばれる進み方です。

司法試験に受かると、約1年の司法修習があります。最後の試験(いわゆる二回試験)に受かれば、検事になる資格が得られます。

道のり2:副検事から検事になるルート

もう一つは、司法試験を通らずに検察官になり、経験を積んで検事になる道です。流れは次のようになります。

副検事から検事になるまで
  1. 国家公務員の一般職試験に受かり、検察事務官などとして働く
  2. 一定の公務員の職に通算3年以上ついて、副検事選考の受験資格を得る
  3. 副検事選考(筆記と口述)に受かり、副検事に任命される
  4. 副検事を3年以上務めて、検察官特別考試を受ける
  5. 考試に受かると、検事に任命される

副検事選考は、法務省の「検察官・公証人特別任用等審査会」が行います。このルートで任命された検事は、通称で「特任検事」と呼ばれています。

検察官特別考試の筆記は、憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・検察の実務の7科目です(検察官特別考試令)。

2本の道のりを並べるとこうなる

くらべる点司法試験ルート副検事から検事になるルート
入口法科大学院、または予備試験一般職試験などで公務員になる
中心になる試験司法試験と二回試験副検事選考と検察官特別考試
年数の目安受験資格を得るまでの年数に、司法修習の約1年が加わる公務員の職に通算3年以上、副検事として3年以上が条件
最初の仕事検事として捜査・公判を担当副検事として区検察庁で事件を担当
向いている人学生のうちから法律の勉強に時間を使える人公務員として働きながら道を開きたい人

ただ、2本目の道は狭き門でもあります。法務省の審査会の議事概要では、令和6年度・令和7年度の検察官特別考試の筆記は、どちらも受験者8人中、合格者なしでした。

令和8年度の筆記は、受験者13人中1人が合格しています。最終の結果は、この記事を書いた時点では発表されていません。

副検事・特任検事をもっと知りたい人へ

副検事選考の受験資格や科目は副検事になるには、検察官特別考試の仕組みは特任検事とは?でくわしく紹介しています。

司法試験に受かってから任官まで:司法修習と採用の流れ

ここでの結論

司法試験の合格はゴールではなく、検事になる道の折り返し地点です。司法修習の中で検察の現場を体験し、修習期間中に検事の採用面接があります。

「司法試験に受かったら、すぐ検事になれるんですか?」

「いいえ、約1年の司法修習を終えて、さらに検事として採用される必要があるんです」

こんなふうに、合格の後にも大事な段階が続きます。順番に見ていきましょう。

司法試験の合格発表から司法修習、二回試験、検事の採用面接、任官までの順番を示した図解

司法修習は約1年

最高裁判所の説明では、司法修習は次の順に進みます。

司法修習の流れ(最高裁判所の説明)
  1. 司法研修所で導入修習を受ける
  2. 全国の裁判所・検察庁・弁護士会で、民事裁判・刑事裁判・検察・弁護を2か月ずつ学ぶ
  3. 選択型実務修習と、司法研修所での集合修習を受ける
  4. 最後に司法修習生考試(いわゆる二回試験)を受ける

検察修習では、指導役の検事のもとで、実際の事件の捜査を学び、起訴・不起訴について意見を述べたりします。検事の仕事を間近で見られる、大事な期間です。

第79期の場合、修習は令和8年3月19日から始まり、修習期間は「約1年間」と案内されています。

修習中は、基本給付金として給付期間(ほぼ1か月)ごとに13万5千円が支給されます。家を借りている人には、住居給付金として3万5千円も出ます(最高裁判所の修習給付金の案内)。

採用は修習期間中の面接で決まる

法務省は、修習期間中に検事採用面接を行うと説明しています。「能力・適性・人格・識見に優れた方を総合的に判断した上,検事に採用します」という書き方です。

古いモデル例に注意

法務省の「検事に採用されるまで」のページには、平成19年に法科大学院へ入学した人のモデル日程が載っています。用語も日程も古いため、今の選考の時期としては使えません。今の説明会や選考の情報は、検察庁の検事採用情報サイトで確かめてみてください。

検察庁は、大学生や法科大学院生向けの説明会や体験型プログラムも開いています。令和8年度は8月に東京と大阪で検察庁説明会が開かれ、12月には高校生向けの検察官体験イベントも予定されています。

修習の中身や新任検事の人数は、司法修習から検事任官まででくわしく紹介しています。

立場別:検事になるには今から何をすればいい?

ここでの結論

どの立場の人も、入口は司法試験(または予備試験)の全体像を知ることです。そのうえで、今の立場に合わせて「どの入口を使うか」を決めていきます。

『道のりは分かったけど、自分は何から始めればいいの?』と思いますよね。ここでは立場ごとに、最初の一歩を表にしました。

今の立場考えられる入口今からできること
中学生・高校生大学の法学部や法曹コース、または予備試験説明会や体験イベントの情報を見る、文章を読む力をつける
法学部の大学生法曹コースから法科大学院、または予備試験試験科目を知り、基本の科目から勉強を始める
法学部以外の大学生法科大学院の未修者コース、または予備試験法律の入門書で相性を確かめる
社会人予備試験、または法科大学院(未修者・既修者)勉強できる時間を数え、仕事との両立の形を決める
公務員(検察事務官など)副検事選考から検察官特別考試受験資格の年数を確かめる

中学生・高校生なら

今の段階で、法律の専門的な勉強を急ぐ必要はありません。まずは、大学でどこを目指すか、予備試験という道もあることを知っておけば十分です。

検察庁の高校生向けイベントのように、実際の仕事に触れる機会もあります。興味が本物かどうか、確かめるきっかけになりますよ。

大学生なら

法学部の人は、法曹コースがある大学なら、3年で卒業して法科大学院へ進む道も選べます。予備試験を並行して受ける人もいます。

法学部以外の人も、法科大学院の未修者コースから目指せます。法務省の資料によると、令和7年司法試験の法科大学院修了の合格者441人のうち、法学部以外の出身は既修29人・未修36人でした。

社会人なら

社会人の場合は、仕事を続けながら予備試験を目指すか、法科大学院に入り直すかの選択になります。法務省の資料では、令和7年の予備試験の最終合格者452人のうち、出願時に会社員だった人は59人、公務員は36人でした。

社会人が最初に確かめたいこと
  • 平日と休日に、勉強に使える時間がどれくらいあるか
  • 予備試験と法科大学院、どちらが今の暮らしに合うか
  • 司法試験の受験資格は、得てから5年の期間内で受けられること
  • 修習の約1年は、修習に専念する必要があること

司法試験の受験資格は、法科大学院の修了や予備試験の合格から「最初の4月1日から5年間」です。この期間内なら毎回受験できます(法務省 司法試験Q&A)。

最初の一歩は試験の全体像を知ること

ここまで見てきたように、検事を目指すなら、入口はやはり司法試験(予備試験)です。早めに試験の全体像と勉強の進め方を知っておくと、選べる道が広がります。

独学で進める人も、法科大学院で学ぶ人もいます。予備校や通信講座を使うかどうかは、資料を取り寄せてくらべてから決めても遅くありません。

司法試験・予備試験の情報

検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から

検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。

無料司法試験・予備試験の案内を見る

試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。

勉強の始め方や、独学・予備校・通信講座のくらべ方は司法試験・予備試験の勉強の始め方で紹介しています。試験の難しさや合格者数は検察官と司法試験をどうぞ。

検事になるにはでよくある疑問に答えます

ここでの結論

知恵袋などでよく見かける質問は「何の資格がいるの?」「弁護士と迷っている」「検察事務官からでもなれる?」の3つです。どれも、道のりの全体像が分かると答えやすくなります。

検察官のなり方について、ネットのQ&Aでよく見かける疑問を3つ取り上げます。質問は要約して紹介しますね。

疑問1:検事になるには、どんな資格や教養が必要?

いちばん大事な資格は、司法試験に受かって司法修習を終えることです。そのうえで、修習中の面接で採用されて検事になります。

教養については、試験そのものが教養の役目もはたしています。予備試験の短答式には、法律の科目のほかに一般教養科目もあります。

なお、学歴によって給料が変わるかという質問もよく見かけます。検事の給料は俸給表で決まる仕組みで、くわしくは検事の年収・給料で紹介しています。

疑問2:検察官と弁護士、どちらを目指すか迷っている

高校生からよく出る相談です。

結論から言うと、今の段階で決めきる必要はありません。検事・裁判官・弁護士は、司法試験と司法修習までは同じ道を通ります。

修習では、検察と弁護の両方を2か月ずつ体験できます。実際の仕事を見てから決める人も多いので、まずは司法試験を目指す準備から始めてみてください。

立場や仕事の違いは、検事と弁護士の違いでくらべています。

疑問3:検察事務官から検察官になる道と、どちらが難しい?

「最初から検事を目指すのと、事務官になってから検察官を目指すのと、どちらが楽ですか?」という質問です。

答えは、「楽な道」というより「試験の形が違う道」です。

くらべる点最初から検事を目指す検察事務官から目指す
最初の試験司法試験(予備試験)国家公務員の一般職試験
検察官になるまで修習を終えて採用されれば検事3年以上の経験の後、副検事選考
検事になるまで任官した時点で検事副検事を3年以上務め、検察官特別考試
働きながら進めるか学生や社会人が勉強時間を作る公務員として働きながら受験

副検事選考は、令和7年度に筆記の受験者134人中28人が合格し、最終合格は27人でした(法務省の審査会の議事概要)。検事を目指す最後の考試は、先ほど見たとおり合格者がとても少ない年が続いています。

検察事務官の仕事やなり方は、検察事務官とは?をどうぞ。

よくある質問

検事になるには何年くらいかかりますか?

決まった年数はありません。司法試験ルートでは、受験資格を得るまでの年数に、合格後の司法修習の約1年が加わります。法曹コースなら、大学3年と法科大学院2年で受験資格を得る進み方もあります。

検察官に年齢制限はありますか?

検察庁は「年齢については特段の制限はありません」と説明しています。法務省の発表では、第76期の新任検事に43歳で任官した人もいました。

高校生のうちにしておくことはありますか?

専門的な勉強を急ぐより、司法試験と予備試験の仕組みを知っておくことが役に立ちます。検察庁が開く高校生向けのイベントで、仕事に触れてみるのもおすすめです。

検事になるのに予備校は必要ですか?

必要と決まっているわけではありません。独学の人も、法科大学院で学ぶ人もいます。自分の勉強時間や、質問できる環境が要るかどうかでくらべて決めると安心です。

民間企業から検事に転職できますか?

年齢や学歴の制限はないので、司法試験に受かり、司法修習を終えて採用されれば検事になれます。働きながら予備試験を目指すか、法科大学院に入り直すかを、暮らしに合わせて選ぶことになります。

まとめ

この記事の要点
  • 検事になるには、司法試験に合格し、約1年の司法修習を終えて採用されるのが基本の道
  • 副検事を3年以上務め、検察官特別考試に受かって検事になる道もある
  • 検察庁の説明では、年齢・学歴の制限はない
  • 新任検事の平均年齢は20代半ばで、30代・40代で任官した人もいる
  • まずは司法試験・予備試験の全体像を知るところから始める
検事ドットコム

検事ドットコム 編集部

検事・検察官の仕事や役職、検事・副検事・検察事務官のなり方と試験、送致・起訴・公判といった刑事手続きのしくみを、法令と公的機関の情報をもとにわかりやすく整理している情報サイトです。 公式サイト

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