検察官とは?簡単にいうと何をする人か、公益の代表者の意味

検察官とは何をする人か、公益の代表者の意味を紹介する記事のアイキャッチ。法廷の検察官席の机

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ニュースでよく聞く「検察官」。でも、警察とも裁判官とも違うこの人たちが何をしているのか、うまく説明できない方も多いはずです。

結論から言うと、検察官とは社会全体の代わりに事件を調べ、裁判にかけるかを決めて、裁判で罪を証明する国家公務員です。法律では「公益の代表者」とも書かれています。

この記事を読めば、検察官の意味を簡単に、子どもにも説明できる言葉でつかめます。

目次

検察官とは?簡単にいうと3行でこうなる

先に結論

検察官とは、事件を裁判にかける(起訴する)かどうかを決める役目の人です。日本では、起訴できるのは原則として検察官だけです。

検察官とは何か、わかりやすく3つの角度から言い切ってみます。

見る角度検察官とは
法律上の定義検事総長・次長検事・検事長・検事・副検事の5つの官名の総称(検察庁法第3条)
身分一般職の国家公務員
刑事裁判での立場起訴をして、法廷で証拠を出し、罪を証明する側

『警察と同じようなもの?』と思った方もいるかもしれません。実は、警察には起訴する権限がないんです。

検察庁のホームページでも「起訴は検察官にのみ与えられた権限であり、警察官は起訴できない」と説明されています。

子どもに説明するならこう言い換える

小学生や中学生に「検察官って何?」と聞かれたら、こんな言い方がおすすめです。

「悪いことをしたかもしれない人を、裁判にかけるかどうか決める人だよ。裁判では『この人がやりました』と証拠を見せる係なんだ」

もう少し大きい子なら「みんなの代わりに、ルールを破った人を裁判に出すかどうかを決める人」と言うと、公益の代表者という意味まで伝わりますよ。

検察官を「法律上の定義」「身分」「刑事裁判での立場」の3行で説明し、子ども向けの言い換えを添えた図解

検察官はどこで働いている?

検察官が働くのは、主に検察庁です。検察庁は裁判所に対応して4種類あり、検察庁のホームページでは次のように紹介されています。

検察庁対応する裁判所数
最高検察庁最高裁判所1庁(東京)
高等検察庁高等裁判所8庁(ほかに支部6庁)
地方検察庁地方裁判所・家庭裁判所50庁(ほかに支部203庁)
区検察庁簡易裁判所438庁

内閣人事局の統計では、令和7年7月1日現在の検察官は2,790人です。全国のこれだけの庁に分かれて働いているんですね。

検察官と検事は同じ?

ふだんは同じ意味で使われますが、法律の上では検察官が総称で、検事はその中の一つの官名です。

区検察庁で働く副検事も、検察官の一人なんです。違いは検察官と検事の違いで詳しく紹介しています。

「公益の代表者」とはどういう意味?

誰か一人の味方ではなく、社会全体のために動く

検察庁法第4条には、検察官は「公益の代表者として」事務を行うと書かれています。公益とは、社会全体の利益のことです。

「公益の代表者」と聞くと、難しく感じますよね。かみくだくと「社会のみんなの代わりに動く人」という意味です。

検察官は、被害者の代理人でも、警察の味方でもありません。社会全体にとって、その事件をどう扱うのが正しいかを考える立場なんです。

検察庁法第4条では、検察官の仕事を次のように定めています。

検察庁法第4条にある検察官の仕事
  • 刑事について公訴を行う(裁判にかける)
  • 裁判所に法律の正しい当てはめを求める
  • 裁判の執行を監督する
  • 公益の代表者として、ほかの法律が任せた事務を行う

起訴しないことを選べるのも公益のため

刑事訴訟法第248条では、犯人の性格や年齢、境遇、犯罪の軽重や情状、犯罪後の情況から、訴追の必要がない時は起訴しないことができるとされています。

これを「起訴猶予」といいます。証拠がそろっていても、社会全体から見て裁判にかける必要がないと判断することがあるんです。

反対に、起訴する時の考え方も紹介されています。検察庁のホームページでは、日本の検察制度の特色として「的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に限って起訴する」と説明されているんです。

例えばこんなやりとりをイメージしてみてください。

「犯人だと分かっているのに、裁判にしないこともあるの?」
「事情しだいでね。そこも含めて判断するのが検察官の役目なんだよ」

補足

裁判所のホームページでも、検察官は「公益の代表者として、刑事事件について裁判所に裁判を求めるための公訴を提起(起訴)することができます」と紹介されています。

検察官に任された権限

公益の代表者として動くために、検察官には法律でいくつもの権限が与えられています。主なものを表にしました。

権限法律の決まり
起訴「公訴は、検察官がこれを行う。」(刑事訴訟法第247条)
捜査「いかなる犯罪についても捜査をすることができる。」(検察庁法第6条)
警察への指示・指揮捜査について司法警察職員に指示や指揮ができる(刑事訴訟法第193条)
勾留の請求被疑者の勾留を裁判官に請求する(刑事訴訟法第205条など)
上訴判決に不服がある時は上訴できる(刑事訴訟法第351条)

『検察官が警察に指示できるの?』と驚く方もいるかもしれません。検察庁は、送られた事件の証拠が足りない時は、警察を指揮して補充の捜査をさせることもあると説明しています。

検察官は公務員なのか?国家公務員としての身分

検察官は一般職の国家公務員

国家公務員法で特別職として挙げられている職に、検察官は入っていません。つまり、検察官は一般職の国家公務員です。

『検察官って、そもそも公務員なの?』という疑問も多いですよね。結論は、国の機関で働く国家公務員です。

ただ、仕事の重さに合わせて、ふつうの国家公務員とは違う決まりもあります。検察庁法には、国家公務員法の特例がいくつも書かれているんです。

項目検察官の決まり
定年65歳(検察庁法第22条)
身分保障定年や適格審査などの場合を除き、意思に反して官を失ったり、職務を止められたり、俸給を減らされたりしない(懲戒処分は別)
適格の審査検察官適格審査会が、すべての検察官を3年ごとに審査する
給料「検察官の俸給等に関する法律」で決まる
残業代超過勤務手当は支給しないと法律に書かれている

身分が守られているのは、外からの圧力に左右されずに、公正に判断できるようにするためと考えると分かりやすいですよ。

一方で、職務に適さないと議決されると、官を免じられる仕組みもあります。守る仕組みと、ふさわしいかを確かめる仕組みの両方があるんです。

検察官になるには

検察官のうち検事になるには、司法試験に合格して司法修習を終えるのが基本の道です。検察庁は、年齢や学歴の制限はないと説明しています。

副検事なら、検察事務官などの一定の公務員が選考を通ってなる道もあります。くわしい道のりは検事になるには?で紹介しています。

給料の決まりは検事の年収・給料、働き方は検事の働き方は激務?で紹介しています。

刑事裁判で検察官はどんな立場に立つ?

罪を証明する側に立つ

刑事裁判では、検察官が罪を証明し、弁護人が被告人の権利を守り、裁判官が判断します。3つの立場が分かれているから、公平な裁判になるんです。

法廷の場面を思い浮かべてみてください。検察官、弁護人、裁判官は、それぞれ役目が違います。

立場刑事裁判での役目
検察官起訴状を読み上げ、証拠を出して罪を証明し、最後に刑について意見を言う
弁護人(弁護士)被告人の正当な権利と利益を守り、有利な事情を主張する
裁判官証拠と双方の言い分を調べ、有罪かどうかと刑の重さを決める
刑事裁判で検察官・弁護人・裁判官がそれぞれどんな役目を持つかを示した図解
公判で検察官が行う主なこと
  1. 起訴状を朗読する
  2. 冒頭陳述で、証拠によって証明する事実を明らかにする
  3. 証拠調べを請求し、証人尋問などで立証する
  4. 証拠調べの後、論告で事実と法律の当てはめについて意見を言い、刑について求刑する

求刑は、あくまで検察官の意見です。最終的に刑を決めるのは裁判官なんです。詳しくは検事の求刑とはで紹介しています。

警察官とはどこが違う?

検察官と警察官は、どちらも事件を調べます。ただ、調べる段階と目的が違うんです。

検察庁の説明では、警察は事件が起きた時に最初の捜査を行い、被疑者を逮捕したり証拠を集めたりします。検察官は、送られてきた事件をさらに調べて、起訴するかしないかを決めます。

法務省の子ども向けページでも、2つの捜査は目的や内容は同じでも「捜査を行う段階が違う」と説明されています。

さらに検察では、警察の捜査が適正に行われているかの確認もしているそうです。くわしくは検事と警察の違いで紹介しています。

検察官を補佐する検察事務官

検察官のそばには、いつも検察事務官がいます。検察庁法では、検察事務官は検察官を補佐し、またその指揮を受けて捜査を行うとされています。

取り調べに立ち会う「立会事務官」は、検察官とペアで二人三脚の仕事をすると紹介されています。検察官補佐の役割は検察事務官とはで詳しく見てみてください。

1日の流れや捜査の中身は検察官の仕事内容をわかりやすくにまとめています。

検察官の仕事に興味を持ったら、入口は司法試験(予備試験)です。早めに試験の全体像と勉強の進め方を知っておくと、進路の選択肢が広がりますよ。

司法試験・予備試験の情報

検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から

検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。

無料司法試験・予備試験の案内を見る

試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。

検察官についてよくある疑問

知恵袋で多い質問に答えます

検察官について、よく見かける質問を選んで、公的な情報をもとに答えます。

検察官と弁護士、どちらを目指すか迷っている

「検察官を目指すか、弁護士を目指すかで迷っている高校3年生です」という質問がありました。

実は、どちらに進むとしても、入口は同じ司法試験と司法修習です。修習の終わりの試験に受かると、検事・裁判官・弁護士のどれかになる資格が得られます。

司法修習では、検察と弁護の実務をどちらも体験できます。今すぐ決めなくても、学びながら考えられるんです。違いは検事と弁護士の違いも参考にしてみてください。

検察官への苦情はどこに言えばいい?

「検察官へのクレームや苦情は、どこに言えばいいの?」という質問もあります。

法務省には検察官適格審査会があり、一般の方から特定の検察官の適格性を審査してほしいという申出があった時は、随時審査を始めるかを決めるとしています。

個別の事件のことで困っている時は、法テラスや弁護士会などの窓口で、弁護士に相談してみてください。

不起訴に納得できない時はどうなる?

「被害者の私に、不起訴になったら検察審査会に申し立てられると連絡がありました」という質問も見られます。

検察審査会は、くじで選ばれた11人の市民が、検察官の不起訴が妥当だったかを審査する仕組みです。被害を受けた人などが申し立てでき、費用はかかりません。

検察官の判断にも、市民の目でチェックが入るようになっているんです。

よくある質問

検察官とは簡単にいうと何をする人ですか?

事件を調べて、裁判にかけるかどうかを決め、裁判で罪を証明する人です。起訴できるのは原則として検察官だけです。

検察官は公務員ですか?

はい、一般職の国家公務員です。定年や身分保障などで、検察庁法による特例が定められています。

「公益の代表者」とはどういう意味ですか?

誰か一人の味方ではなく、社会全体の利益のために動く立場という意味です。検察庁法第4条に書かれています。

検察官は警察に指示できますか?

できます。刑事訴訟法第193条で、検察官は捜査について司法警察職員に指示や指揮ができ、司法警察職員はそれに従うと決められています。

検察官と検事の違いは何ですか?

検察官は検事総長・次長検事・検事長・検事・副検事の総称で、検事はその中の一つの官名です。

まとめ

この記事の要点
  • 検察官とは、事件を裁判にかけるかを決め、裁判で罪を証明する人
  • 法律上は5つの官名の総称で、身分は一般職の国家公務員
  • 公益の代表者として、社会全体のために判断する
  • 刑事裁判では、弁護人・裁判官と役目が分かれている
検事ドットコム

検事ドットコム 編集部

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