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検察官を目指そうと思った時、最初にぶつかるのが司法試験の壁ですよね。『どんな試験で、どれくらい難しいの?』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、検察官(検事)になるための資格の中心は、司法試験の合格と司法修習の修了です。司法試験を受けるには、法科大学院の修了・在学中受験・予備試験合格の3つのどれかが必要です。
この記事を読めば、3つのルートと1年の試験の暦、合格者数、合格した後の流れが分かります。
検察官に必要な資格は?司法試験との関係
検察庁は「検事になるためには、司法試験に合格する必要があります」と説明しています。司法試験に受かり、約1年の司法修習を終えると、検事・裁判官・弁護士のどれかになる資格が得られます。「検事だけの資格試験」があるわけではないんです。
『検事の資格って、弁護士の資格とは別にあるの?』という疑問は、よく見かけます。
実は、検事・裁判官・弁護士は、司法試験と司法修習までは同じ道を通ります。修習を終えた後に、どの仕事を選ぶかが分かれていきます。
検察庁法で決まっている検事の資格
検察庁法の第18条第1項は、検事・副検事に任命できる人を次のように決めています。
| 検察庁法の資格 | 司法試験との関係 |
|---|---|
| 司法修習生の修習を終えた者 | 司法試験に受かった後、修習を終えた人 |
| 裁判官の職に在つた者 | 裁判官も司法試験と修習を通った人 |
| 3年以上、大学で法律学の教授・准教授だった人 | 研究者としての道で、数は多くない |
これとは別に、副検事を3年以上務めて検察官特別考試に受かった人も、検事になれます(同法第18条第3項)。
副検事そのものは、司法試験を通らずに選考でなれる検察官です。副検事の試験は、副検事になるにはでくわしく紹介しています。
検察官は、検事総長・次長検事・検事長・検事・副検事をまとめた呼び名です。この記事で「検察官の資格」と言う時は、主に検事になる資格のことを指しています。
3つの受験資格ルートと、1年の試験の暦
司法試験の受験資格は、法科大学院の修了、在学中受験、予備試験の合格の3つです。どのルートを選ぶかで、いつ何の試験を受けるかが変わります。1年の暦にしておくと、準備の順番が見えてきます。
『予備試験と法科大学院、結局どっちがいいの?』と迷いますよね。まずは3つのルートを横に並べて見てみましょう。
司法試験の受験資格は3つ
法務省の司法試験Q&Aでは、受験資格は次の3つとされています。

| ルート | 受験資格を得る方法 | 受験できる期間 |
|---|---|---|
| 法科大学院修了 | 法科大学院の課程を修了する | 修了後の最初の4月1日から5年間 |
| 在学中受験 | 法科大学院で所定の単位を取り、学長の認定を受ける | 在学中に最初に受けた年の4月1日から、修了か退学まで、または5年のどちらか短い期間 |
| 予備試験合格 | 司法試験予備試験に合格する | 合格発表後の最初の4月1日から5年間 |
在学中受験は、令和5年の司法試験から始まった仕組みです。試験の年の4月1日から1年以内に修了する見込みであることなどが条件になります。
在学中受験の学長の認定には、試験の年の3月31日までに所定の単位を取っていることが求められます。法律基本科目の基礎科目30単位以上、応用科目18単位以上、選択科目4単位以上です(法務省 在学中受験資格に関するQ&A)。
在学中受験で受かった人が司法修習生になるには、合格発表の年の4月1日以降に法科大学院を修了していることが必要です(裁判所法第66条第1項)。
受験回数の制限は今はない
以前は「5年間に3回」という受験回数の制限がありました。平成26年の司法試験法の改正で回数の制限は廃止され、平成27年の試験から、5年の期間内なら毎回受けられるようになっています。
よく聞く「5年5回」は、1年に1回の試験を5年間受けられる、という意味の言い方です。法令の言葉は「5年」だけで、回数の決まりはありません。
司法試験を受けると、その受験資格の期間が続く間は、別の受験資格では受けられません。期間が過ぎた後に別の受験資格を得れば、そこから新たに5年間受けられます(法務省 司法試験Q&A)。
1年の暦で見る司法試験と予備試験(令和8年)
令和8年の日程を、法務省のQ&Aをもとに暦にしました。予備試験は、短答式から最後の口述まで1年近くかかることが分かります。

| 時期(令和8年) | 司法試験 | 予備試験 |
|---|---|---|
| 2月〜3月 | 電子出願 3月9日〜4月2日 | 電子出願 2月16日〜3月13日 |
| 7月 | 試験 7月15日・16日・18日・19日 | 短答式 7月19日 |
| 8月 | 短答式の結果 8月6日発表 | 短答式の合格発表 8月6日 |
| 9月 | 論文式 9月12日・13日 | |
| 11月 | 合格発表 11月11日の予定 | |
| 12月 | 論文式の合格発表 12月17日 | |
| 令和9年1月〜2月 | 口述 1月23日・24日、合格発表 2月4日 |
受験手数料は、司法試験が電子出願で31,000円・郵送で32,000円です。予備試験は電子出願で20,000円・郵送で21,000円です(いずれも法務省 令和8年のQ&A)。
令和8年からは、司法試験の短答式・論文式の両方でCBT(パソコンで解く方式)が始まりました。予備試験は論文式だけがCBTです。
ルート別の1年の流れ
- 2月〜3月に予備試験に出願する
- 7月に短答式、9月に論文式を受ける
- 翌年1月の口述を経て、2月に最終の合格発表
- その年の司法試験に出願し、7月に受験する
- 11月の合格発表の後、司法修習へ進む
法科大学院ルートの人は、在学中受験を使えば、修了を待たずに7月の司法試験を受けられます。どのルートでも、7月の司法試験と11月の合格発表が1年の山場になります。
検察官の難易度は?司法試験の合格者数と合格率
司法試験の合格者は、令和7年で1,581人でした。受験者数から計算すると合格率は41.20%です。ただ、その前の予備試験はずっと狭い門で、さらに検事になるには合格後の採用もあります。
『検察官って、やっぱり難しいの?』と気になりますよね。ここでは公表された人数で、難しさを数字で見ていきます。
司法試験の合格者数(法務省)
| 年 | 受験者 | 短答式の合格に必要な成績を得た人 | 最終合格者 | 合格率(計算値) |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年 | 3,837人 | 2,902人 | 1,581人 | 41.20% |
| 令和6年 | 3,779人 | 2,958人 | 1,592人 | 42.13% |
合格率は、法務省が公表した受験者数と合格者数から、この記事で計算した値です。法務省が率そのものを公表しているかは、確認できていません。
令和7年の合格者を受験資格別に見ると、法科大学院修了441人、在学中受験712人、予備試験合格428人でした。
令和8年の司法試験は、受験者3,871人のうち3,068人が短答式の合格に必要な成績を得ています。最終の合格者は、令和8年11月11日に発表される予定です。
予備試験の合格者数(法務省)
| 年 | 短答式の受験者 | 短答式の合格者 | 論文式の合格者 | 最終合格者 | 短答受験者に対する合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和7年 | 12,432人 | 2,744人 | 457人 | 452人 | 3.64%(計算値) |
| 令和6年 | 12,569人 | 2,747人 | 462人 | 449人 | 3.57%(法務省記載) |
| 令和5年 | 13,372人 | 2,685人 | 487人 | 479人 | 3.58%(法務省記載) |
予備試験は、受験資格の制限がない分、受ける人の数がとても多い試験です。そのぶん最終合格までの道は長くなります。
一方で、令和7年の司法試験を予備試験合格の資格で受けた人は472人で、そのうち428人が合格しました。人数から計算すると90.7%です。
合格者はどんな人?年齢と受験回数
『何回も受けないと受からない試験なのでは』と不安になる方もいますよね。法務省の令和7年の採点結果を見ると、合格者の受験回数は次のとおりでした。
| 受験回数 | 令和7年の合格者 | 令和6年の合格者 |
|---|---|---|
| 1回目 | 1,197人 | 1,211人 |
| 2回目 | 250人 | 296人 |
| 3回目 | 103人 | 44人 |
| 4回目 | 18人 | 29人 |
| 5回目 | 13人 | 12人 |
合格者の多くは、1回目の受験で受かっています。逆に言えば、最初の受験までにどれだけ準備できるかが大きいということです。
令和7年の合格者の平均年齢は26.8歳で、最高は69歳、最低は18歳でした(令和7年12月末現在)。性別では、男性1,102人(69.70%)、女性479人(30.30%)です。
倍率と、検事への採用の狭さ
検察官の倍率という形で公表された数字は、見当たりません。そこで、合格者の数と、新任検事の数をくらべてみます。
| 見る数字 | 人数 | 出典 |
|---|---|---|
| 司法試験の最終合格者(令和7年) | 1,581人 | 法務省 |
| 新任検事(第78期・令和8年3月26日付け) | 68人 | 法務省 |
| 新任検事(第77期・令和7年3月27日付け) | 82人 | 法務省 |
司法試験の合格者の多くは、弁護士や裁判官など別の道へ進みます。検察官が難しいと言われるのは、試験に受かった後に検事として採用される段階もあるからなんです。
令和7年の司法試験の合格基準は、論文式の各科目で素点の25%点以上、かつ総合点770点以上でした。令和8年の短答式は、各科目満点の40%点以上かつ合計99点以上(175点満点)が、合格に必要な成績とされています。
司法試験の後にある、検察官の採用までの流れ
司法試験に受かった後は、約1年の司法修習があります。検事の採用面接は修習期間中に行われ、二回試験に受かると検事として任官します。
「司法試験に受かったら、そのまま検事として働けるんですか?」
「まだです。修習を終えて、検事として採用される必要があります」
この流れを知らないまま勉強を始める方も意外と多いので、ここで押さえておきましょう。

- 司法試験に合格し、司法修習生に採用される
- 司法研修所で導入修習を受ける
- 全国の裁判所・検察庁・弁護士会で実務修習を受ける(検察は2か月)
- 修習期間中に検事の採用面接を受ける
- 二回試験に受かり、検事として任官する
法務省は、検事の採用について「能力・適性・人格・識見に優れた方を総合的に判断した上,検事に採用します」と説明しています。いわゆる「検察官の採用試験」は、ペーパーテストというより、修習中の面接による選考です。
修習中は、最高裁判所から基本給付金として給付期間ごとに13万5千円が支給されます。家を借りている人には、住居給付金として3万5千円も出ます。
修習と任官のくわしい流れは、司法修習から検事任官までで紹介しています。
試験の科目と、勉強の準備の始め方
司法試験の短答式は憲法・民法・刑法の3科目、論文式は公法系・民事系・刑事系・選択科目の4科目です。予備試験は科目がもっと多く、一般教養や法律実務基礎科目もあります。まずは科目の全体を知るところから始めましょう。
『何から勉強すればいいのか分からない』という方も多いはずです。ここでは、試験科目を表にしてから、準備の進め方を見ていきますね。
司法試験と予備試験の科目
| 試験 | 短答式 | 論文式 | 口述 |
|---|---|---|---|
| 司法試験 | 憲法・民法・刑法 | 公法系(憲法・行政法)、民事系(民法・商法・民事訴訟法)、刑事系(刑法・刑事訴訟法)、選択科目1つ | なし |
| 予備試験 | 法律基本科目7科目と一般教養科目 | 法律基本科目7科目、選択科目1つ、法律実務基礎科目(民事・刑事) | 法律実務基礎科目(民事・刑事) |
選択科目は、倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)から1つを選びます。
検事の仕事に直結するのは刑法と刑事訴訟法ですが、試験はすべての科目で点を取る必要があります。苦手な科目を作らないことが、遠回りに見えて近道なんです。
勉強の進め方を選ぶ前に確かめたいこと
- 予備試験と法科大学院、どちらのルートで受験資格を得るかを決める
- 1週間に勉強へ使える時間を、平日と休日に分けて数える
- 短答式と論文式で、求められる力が違うことを知っておく
- 論文の答案を、誰かに見てもらえる環境があるかを考える
- 受験できる期間が5年であることを前提に、計画を立てる
勉強の進め方は、独学、法科大学院での学び、予備校や通信講座の利用など、いくつかあります。どれが正解というより、自分の時間と学び方に合うかどうかです。
検事を目指すなら、入口は司法試験(予備試験)です。早めに試験の全体像と勉強の進め方を知っておくと、選べる道が広がります。講座の資料を取り寄せて、カリキュラムや質問の仕組みをくらべてみるのも一つの方法です。
司法試験・予備試験の情報
検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から
検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。
無料司法試験・予備試験の案内を見る試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。
独学・予備校・通信講座のくらべ方は、司法試験・予備試験の勉強の始め方と講座の選び方でくわしく紹介しています。検事になるまでの全体の道のりは検事になるには?をどうぞ。
検察官の資格と試験でよくある疑問
よく見かけるのは「司法試験に受かれば3つの仕事から選べる?」「検事の資格は別にある?」「どんな勉強をすればいい?」の3つです。順に答えていきますね。
知恵袋などのQ&Aで多くの人に読まれている疑問を、要約して取り上げます。
疑問1:司法試験に受かれば、検察官・弁護士・裁判官から好きに選べる?
「司法試験に合格すれば、3つのうちどれにでもなれるんですよね?」という質問です。
資格の面では、修習を終えれば3つのどれにもなる資格が得られます。ただ、検事は採用されてなる仕事なので、希望すれば誰でもなれるわけではありません。
最高裁判所の説明では、二回試験に受かると判事補・検事・弁護士となる資格が得られます。検事になるには、それに加えて修習期間中の採用面接で採用されることが必要です。修習では検察と弁護を2か月ずつ体験できるので、そこで進む道を考える人もいます。
検事と弁護士の違いは、検事と弁護士の違いでくらべています。
疑問2:検事の資格は、弁護士の資格とは別にある?
「検事も弁護士も同じ資格なんですか?」という疑問もよく見かけます。
答えは、入口の試験は同じで、修習を終えた後の進み方が違う、ということです。検察庁のQ&Aでも、検事になる資格を持つ人の中に、司法修習を終えた人や弁護士が並んでいます。
法務省は、弁護士から検事になる「弁護士任官」も受け付けています。くわしくは元検事の弁護士と、弁護士から検事になる道をどうぞ。
疑問3:検察官になるには、どんな勉強をすればいい?
「将来検察官になりたいけど、何を勉強すればいいですか?」という質問は、学生さんからとても多く出ています。
結論から言うと、最初は試験科目の基本書や入門書で、憲法・民法・刑法の考え方に触れるところからです。特定の本を選ぶより、通して読み切れる1冊を決める方が大事です。
中学生・高校生なら、今は文章を正確に読む力や、考えを書く力をつけておくと後で役立ちます。大学や学部の選び方は、検察官になるには大学・学部はどこ?で紹介しています。
よくある質問
検察官になるには司法試験が必要ですか?
検事になるには、司法試験に受かって司法修習を終えるのが基本の道です。副検事は司法試験を通らずに選考でなれますが、副検事から検事になるには、さらに3年以上の経験と検察官特別考試が必要です。
司法試験は何回まで受けられますか?
回数の制限は、平成26年の改正で廃止されました。今は、受験資格を得た後の最初の4月1日から5年の期間内なら、毎回受けられます。
予備試験に受験資格はありますか?
法務省は、予備試験について「受験資格及び受験期間の制限はありません」と説明しています。年齢や学歴を問わず受けられます。
検察官の合格率はどれくらいですか?
検察官の合格率として公表された数字は見当たりません。司法試験の合格率は、令和7年の受験者と合格者の人数から計算すると41.20%です。その後、検事として採用される段階もあります。
司法試験に受かれば検事になれますか?
受かった後に約1年の司法修習があり、修習期間中の面接で採用される必要があります。二回試験に受かって、はじめて検事として任官します。
まとめ
- 検察官(検事)になる資格の中心は、司法試験の合格と司法修習の修了
- 司法試験の受験資格は、法科大学院修了・在学中受験・予備試験合格の3つ
- 受験できる期間は5年で、回数の制限は今はない
- 令和7年の司法試験の合格者は1,581人、予備試験の最終合格者は452人
- 合格後は約1年の修習と、修習中の採用面接を経て検事になる





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