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ニュースで「副検事」という言葉を聞いて、検事の部下なのか、検事の見習いなのか気になった方も多いはずです。
結論から言うと、副検事とは、区検察庁で捜査や裁判を担当する、れっきとした検察官です。検事とは官名もなり方も違い、「検事の一つ下」というより「入口と働く場所が違う検察官」と考えると分かりやすいですよ。
この記事を読めば、副検事とは何か、検事との違いと人数、俸給表や働き方まで一通りつかめます。
副検事とは?区検察庁で働く検察官のこと
検察庁法では、検察官は「検事総長、次長検事、検事長、検事及び副検事」の5つと決められています。副検事はその1つで、区検察庁の検察官の職にだけつく官名です。
副検事とは何かを一言でいうと、「区検察庁を持ち場にする検察官」です。
『副って付くから、検事の補佐役なのかな?』と思いますよね。実は、副検事も自分で事件を調べ、起訴(裁判にかけること)するかどうかを判断する立場なんです。
検察庁のホームページでも、副検事は「区検察庁に配置され、捜査・公判及び裁判の執行の指揮監督などの仕事を行っています」と紹介されています。
検察官としての副検事の位置づけ
検察官・副検事・検事の関係を、表で見てみましょう。
| 言葉 | 何を指すか | ポイント |
|---|---|---|
| 検察官 | 5つの官名をまとめた呼び名 | 副検事も検察官に入る |
| 検事 | 検察官の官名の1つ | 最高検・高検・地検などで働く |
| 副検事 | 検察官の官名の1つ | 区検察庁の検察官の職だけにつく |
つまり「検察官の副検事」「検察庁の副検事」という言い方は、どちらも正しいんです。検察官と検事の呼び方の関係は検察官と検事の違いでくわしく紹介しています。
区検察庁ってどんな所?
区検察庁は、簡易裁判所に対応して置かれている検察庁です。検察庁のホームページでは、全国438か所にあり「比較的軽い刑事事件を取り扱います」と説明されています。
地方検察庁が都道府県庁所在地などの50か所なのにくらべると、ずっと身近な場所にあるのが分かりますよね。
区検察庁には、検事が上席検察官として置かれることもあります。検察庁法では、二人以上の検事、または検事と副検事が属する区検察庁に、検事を充てる上席検察官を置くと決められています。
副検事の人数は?出典ごとの数字
検察庁のリーフレットでは「全国で約800人の副検事が活躍しています」と紹介されています。くわしい数字は、出典と基準日によって少しずつ違います。
『副検事って、全国に何人くらいいるの?』という疑問も多いですよね。出典ごとの数字を並べると、次のとおりです。
| 出典 | 基準日 | 副検事の人数 |
|---|---|---|
| 内閣人事局の在職状況統計 | 令和7年7月1日現在 | 797人 |
| 内閣府の調べ(法務省調べ) | 令和7年3月31日現在 | 778人 |
| 検察庁のリーフレット | 記載の作成時点 | 約800人 |
数字が少しずつ違うのは、数えた日や数え方が違うからです。どれかが間違っているわけではありません。
同じ内閣人事局の統計では、令和7年7月1日現在で検事は1,983人、検察官の合計は2,790人です。検察官の中で、副検事は検事の次に多い官名なんです。
女性の副検事はどのくらい?
内閣府の調べでは、令和7年3月31日現在、副検事778人のうち女性は47人で6.0%です。同じ時点の検事の女性割合は28.3%なので、副検事のほうが女性はまだ少ないのが現状なんです。
女性の検察官の働き方は女性の検事・検察官で紹介しています。
検事と副検事の違いを4つの軸でくらべる
検事と副検事の違いは「任命資格」「主に働く庁」「扱う事件」「俸給表」の4つでくらべると、すっきり整理できます。
『検事と副検事の違いって、結局どこなの?』という方のために、まず4つの軸で並べてみました。
| くらべる軸 | 検事 | 副検事 |
|---|---|---|
| 任命資格 | 司法修習を終えた人、裁判官だった人など | 一定の公務員を通算3年以上務めた人などで、選考を通った人 |
| 主に働く庁 | 最高検・高検・地検など | 区検察庁 |
| 扱う事件 | 重大な事件から日常の事件まで幅広い | 窃盗や交通事件など、市民生活に身近な事件が中心 |
| 俸給表 | 1号から20号の20段階 | 1号から17号の17段階 |
| 級 | 一級または二級 | 二級 |

例えば、友達とこんな会話になったとします。
「副検事って、検事の見習いみたいなもの?」
「見習いじゃなくて、区検察庁を持ち場にする別の官名なんだって」
この答え方なら、ほぼ正確に伝わりますよ。
軸1:任命資格(入口がまったく違う)
検事になるには、原則として司法試験に合格し、司法修習を終える必要があります。
一方の副検事は、検察庁法で「三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職に在つた者」などのうち、選考を通った人から任命できると決められています。
選考を行うのは「検察官・公証人特別任用等審査会」という法務省の機関です。検察庁の資料では、検察事務官として採用された後に受験資格を得て、毎年1回の副検事選考に合格する道が紹介されています。
軸2:主に働く庁
検事は地方検察庁を中心に、高等検察庁や最高検察庁、法務省などでも働きます。副検事は、検察庁法で区検察庁の検察官の職にだけつくとされています。
軸3:扱う事件
検察庁のリーフレットでは、副検事の仕事として、窃盗、横領、詐欺、傷害、過失運転致死(交通事故)など、市民生活に密接に関わる事件が挙げられています。
『軽い事件ばかりなら、楽なのでは?』と思うかもしれません。ただ、件数が多く、被害に遭った人にとってはどれも大切な事件なんです。
軸4:俸給表
検事も副検事も「検察官の俸給等に関する法律」の俸給月額表で給料が決まります。副検事の表は検事とは別で、号の数も違います。くわしくは後の見出しで紹介しますね。
- 副検事も検察官で、自分で起訴・不起訴を判断できる
- 入口は司法試験ではなく、公務員経験と副検事選考
- 働く場所は区検察庁
- 俸給表は検事と別で、17段階
副検事の仕事の範囲と、区検察庁での1日のイメージ
副検事は区検察庁で、警察から送られてきた事件を調べ、起訴するか不起訴にするかを決め、簡易裁判所での裁判にも関わります。
副検事の仕事内容は、検事の仕事とよく似ています。違うのは、持ち場が区検察庁で、簡易裁判所に対応する事件が中心になる点です。
起訴・不起訴を決める
警察が調べた事件は、検察官に送られます(送致)。副検事は記録を読み、必要なら関係者から話を聞いて、起訴するかどうかを判断します。
刑事訴訟法では、犯罪の嫌疑があっても、事情によって起訴しないこともできるとされています。この判断を副検事自身が行うので、責任の重い仕事なんです。
略式手続きと簡易裁判所での裁判
起訴には、法廷で裁判を開く「公判請求」と、法廷を開かずに書面で罰金などを決める「略式命令請求」があります。
刑事訴訟法では、簡易裁判所は検察官の請求で、略式命令により100万円以下の罰金または科料を科すことができるとされています。略式手続きでは、検察官が被疑者に手続きを説明し、異議がないか確かめることになっています。
例えばこんな事件の流れ
身近な例として、交通事故の事件で考えてみましょう。副検事の手元には、警察が作った記録が届きます。
記録を読んだ副検事は、事故の状況や、けがをした人の様子、本人の言い分を確かめます。足りない点があれば、警察に追加の捜査を頼むこともあります。
| 判断の結果 | その後どうなるか |
|---|---|
| 公判請求 | 簡易裁判所などの法廷で裁判が開かれる |
| 略式命令請求 | 本人に異議がなければ、法廷を開かず書面で罰金などが決まる |
| 不起訴 | 裁判にはかけずに事件を終える |
どの道を選ぶかは、事件の中身や証拠をもとに副検事が判断します。一つの事件の始まりから終わりまで、自分で見届けられる仕事なんです。
1日の流れのイメージ
副検事だけの1日の公式な紹介は見当たりません。そこで、検察庁が紹介している捜査担当の検事の1日をもとに、区検察庁での仕事に置きかえたイメージを表にしてみました。
| 時間帯 | 主な仕事(イメージ) |
|---|---|
| 朝 | 立会事務官と、その日の取調べや書類を確認する |
| 午前 | 警察から送られてきた事件の記録を読み、本人から言い分を聞く |
| 午後 | 被害者や目撃者から話を聞き、警察に補充の捜査を頼む |
| 夕方 | 処分の案をまとめ、上司の決裁を受ける |
| 裁判のある日 | 簡易裁判所の法廷に立ち会う |
これはあくまでイメージで、担当する事件や庁の大きさで中身は変わります。
検察官の仕事全体の流れは検察官の仕事内容と1日の流れも参考にしてみてください。
「副検事は検事のお手伝い」と思われがちですが、違います。副検事は検察官として自分の名前で処分を決めます。検事を補佐するのは、主に検察事務官の役目です。
副検事の俸給表と年収の考え方
副検事の俸給月額は1号の604,000円から17号の257,800円までです(令和7年4月1日から適用の俸給月額表)。年収そのものは公表されていません。
副検事の年収や給料が気になる方も多いですよね。まずは法律で決まっている俸給月額表を見てみましょう。
副検事の俸給月額表
「検察官の俸給等に関する法律」の別表(令和7年法律第94号で改正、令和7年4月1日から適用)の副検事の欄は、次のとおりです。
| 号 | 俸給月額 | 号 | 俸給月額 |
|---|---|---|---|
| 1号 | 604,000円 | 10号 | 320,600円 |
| 2号 | 546,000円 | 11号 | 311,600円 |
| 3号 | 477,100円 | 12号 | 294,300円 |
| 4号 | 459,000円 | 13号 | 285,500円 |
| 5号 | 424,100円 | 14号 | 280,100円 |
| 6号 | 404,400円 | 15号 | 276,300円 |
| 7号 | 379,900円 | 16号 | 266,000円 |
| 8号 | 352,100円 | 17号 | 257,800円 |
| 9号 | 337,300円 |
さらに同じ法律の附則では、特別な副検事に限り、当分の間、俸給月額を664,000円にできるとされています。
副検事の年収は公表されていない
ここが大事なところです。副検事の年収や、何号から始まるかは公表されていません。法律では、法務大臣が準則を定めて、各検察官の号を決めるとされています。
そのため、この記事では俸給月額表の値だけを紹介し、年収の金額は書かないでおきますね。
検察官には、超過勤務手当(残業代)や休日給、夜勤手当、宿日直手当は支給されないと法律で決まっています。一方で、地域手当や住居手当、扶養手当などは法律の中で挙げられています。
63歳以降と定年
検察官の定年は、検察庁法で65歳です。また俸給法の附則では、当分の間、検事と副検事は63歳に達した日の翌日以後、俸給月額が7割になるとされています。
検事の俸給表とくらべたい方は検事の年収・給料を読んでみてください。
副検事は激務?「やめとけ」と言われる理由と、その先のキャリア
副検事が激務と言われるのは、身近な事件を数多く担当し、一つひとつに処分の判断が求められるからです。大変な面を知ったうえで、自分に合うかを考えてみてください。
インターネットでは『副検事はやめとけ』という声を見かけることもあります。不安になりますよね。
ただ、ここは大変な面とやりがいを分けて考えるのがおすすめです。
大変だと感じやすいところ
| 場面 | 大変さの中身 | 向き合い方の例 |
|---|---|---|
| 担当する件数 | 身近な事件が多く、記録を読む量が多い | 立会事務官と予定を共有し、段取りを決めておく |
| 処分の判断 | 起訴・不起訴を自分で決める責任がある | 迷った時は上司の決裁で相談できる |
| 勤務時間 | 関係者の都合で遅くなる日もある | 残業代が出ない仕組みも理解しておく |
| 異動・転勤 | 国家公務員として勤務地が変わることがある | 家族と早めに話し合っておく |
副検事は、選考に合格すれば終わりではありません。法律の知識を使いながら、毎日の事件処理を続ける仕事です。勉強の負担と仕事の負担、両方を見込んでおきましょう。
やりがいを感じやすいところ
例えば、こんなふうに考える人もいます。
「事務官のままでも検察の仕事には関われるのに、なぜ副検事を目指すの?」
「自分で事件の処分を決められる立場になりたいから」
一方で、被害に遭った人の話を聞き、事件をきちんと終わらせることに直接関われるのは、副検事ならではのやりがいです。
検察事務官として検察官のそばで働いてきた人にとっては、自分が判断する立場になれる大きな一歩でもあるんです。
検察官の働き方全般は検事の働き方は激務?で紹介しています。
副検事のその先は?検事になる道もある
検察庁法では、3年以上副検事を務め、検察官特別考試に合格した人を検事に任命できるとされています。こうして検事になった人は、一般に「特任検事」と呼ばれています。
副検事から検事を目指す道は、法律でちゃんと用意されています。
『司法試験を受けなくても検事になれるの?』と驚く方も多いはずです。その通りで、副検事を3年以上務めたあとの「検察官特別考試」が入口になります。
- 国家公務員の一般職試験に合格し、検察事務官に採用される
- 決められた職で通算3年以上働き、副検事選考の受験資格を得る
- 副検事選考(筆記・口述)に合格し、副検事になる
- 副検事を3年以上務め、検察官特別考試に合格する
- 検事に任命される

ただ、検察官特別考試は筆記試験だけで7科目あり、合格者はごくわずかです。仕組みは特任検事とは?検察官特別考試の仕組みで紹介しています。
副検事になるための選考については副検事になるには(副検事選考試験)を読んでみてください。
検察官の階級や役職の並びは検事の階級・役職一覧が参考になります。
最初から検事を目指すなら、入口は司法試験(予備試験)です。副検事ルートと比べてどちらが自分に合うか、早めに試験の全体像と勉強の進め方を知っておくと選択肢が広がりますよ。
司法試験・予備試験の情報
検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から
検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。
無料司法試験・予備試験の案内を見る試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。
副検事についてよくある疑問
副検事について、よく読まれている質問を選んで答えます。
検察事務官から副検事になる道は現実的?
「地方検察庁に内定した。検察事務官から副検事になる道はどのくらいあるの?」という質問は、とても多く読まれています。
検察庁の資料では、検察事務官として採用された後、受験資格を得て副検事選考に合格すれば副検事になれると紹介されています。法務省の議事概要によると、令和7年度は口述試験を受けた28人中27人が最終合格でした。
筆記の段階では、令和7年度は受験者134人中28人の合格です。毎年の合格者は数十人規模なので、計画的に勉強を続けることが大切なんです。
事務官からは毎年何人くらい副検事・検事になる?
「毎年、検察事務官から何人くらい副検事になり、副検事から何人くらい検事になるの?」という質問もありました。
副検事選考の最終合格者は、令和6年度が29人、令和7年度が27人です。出身の内訳は公表されていないので、全員が検察事務官とは限りません。
検察官特別考試は、令和6年度・令和7年度とも筆記の受験者8人中、合格者はいませんでした。令和8年度は筆記の受験者13人中1人が合格し、最終結果はまだ発表されていません(2026年10月11日時点)。
副検事になるのは事務官と裁判所職員だけ?
「副検事になる人は、ほとんどが検察事務官と裁判所職員ですよね?」という質問も見かけます。
検察庁の資料では、検察事務官以外にも、矯正官署や保護官署、裁判所、自衛隊などの経歴を持つ人が任官していると紹介されています。法律の上でも、警部以上の警察官や入国審査官など、受験資格のある公務員は幅広いんです。
よくある質問
副検事とは簡単にいうと何ですか?
区検察庁で捜査や裁判を担当する検察官です。検察庁法で決められた5つの官名の1つで、自分で起訴・不起訴を判断します。
副検事と検事の違いは何ですか?
主な違いは、なるための入口(司法試験か、公務員経験と副検事選考か)、働く庁(区検察庁か、地検など)、俸給表(17段階か20段階か)です。
副検事の年収はどのくらいですか?
年収は公表されていません。法律の俸給月額表では、副検事は1号の604,000円から17号の257,800円までです(令和7年4月1日から適用)。
副検事は英語で何と言いますか?
法務省の法令用語日英標準対訳辞書では、副検事は「assistant public prosecutor」です。検事は「public prosecutor」と訳されています。
副検事は高卒でもなれますか?
副検事選考の受験資格は、学歴ではなく公務員としての職と年数で決まります。高卒者試験で検察事務官に採用され、受験資格を得て選考に合格する道があります。
まとめ
- 副検事とは、区検察庁で捜査や裁判を担当する検察官
- 検事との違いは、任命資格・働く庁・扱う事件・俸給表の4つ
- 人数は内閣人事局の統計で797人(令和7年7月1日現在)
- 俸給月額は1号604,000円から17号257,800円で、年収は非公表
- 3年以上務めて検察官特別考試に合格すると、検事になる道もある





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