当サイトの記事は編集部が法令や法務省・検察庁・最高裁判所などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。個別の事件や法律相談には対応していません。記事内に司法試験・予備試験の情報や対策講座への案内を含む場合があります。
検事を目指したいけれど、『検事は激務だって聞くし、自分に続けられるかな』と気になっている方も多いはずです。ネットで「検察官 やめとけ」という言葉を見かけると、なおさら不安になりますよね。
結論から言うと、検事の忙しさは「ずっと同じ」ではなく、担当する事件や時期によって大きな波があります。忙しくなる場面と、制度として決まっていること(残業代・定年など)を分けて知っておくと、イメージがぐっと具体的になるんです。
この記事を読むと、検事の1日の流れと忙しさの波、休みや定年の制度、大変なところとの向き合い方が分かります。
検事は激務?まず知っておきたい3つのこと
検事の仕事には、法律で決まった期限の中で判断を出す場面が多く、その時期は忙しくなります。一方で、事件の段階によって落ち着く時期もあり、忙しさには波があります。
「検察官は激務」と言われる理由は、仕事の性質にあります。検事は、警察から送られてきた事件を調べて、裁判にかけるかどうか(起訴するかどうか)を決める仕事をしています。
その判断には、刑事訴訟法で決まった時間の制限がある事件も多いんです。ここが大事なところです。
最初に押さえておきたいのは、次の3つです。
| 押さえること | 中身 |
|---|---|
| 忙しさには波がある | 身柄事件の期限や公判の前に仕事が集中する |
| 残業代の仕組みが違う | 検察官には超過勤務手当(残業代)が支給されない |
| 定年は65歳 | 検察庁法で、検察官は65歳に達した時に退官する |
それぞれ、この記事の中で順番に説明していきますね。
検事という仕事の全体像を先に知りたい方は、検事とは?検察官との関係・仕事・なり方から読んでみてください。
検察官の一日のスケジュールはどんな流れ?
検察庁が紹介している1日の例を見ると、取調べや打ち合わせの合間に、事件の記録を読んで判断する時間が多いことが分かります。
『検事って、1日中取調べをしているの?』と思う方もいるかもしれません。実は、記録を読み込んだり、上司に相談したりする時間もかなり多いんです。
検察庁のパンフレット(令和6年度版)では、捜査を担当する検事と公判を担当する検事の「とある1日」が紹介されています。その内容をもとに、流れを表にしました。
捜査を担当する検事の1日(例)
| 時間帯 | 主な仕事 |
|---|---|
| 始業 | 立会事務官と、取調べの予定や準備する書類を確認する |
| 午前 | 警察から送られてきた身柄事件の配点を受け、記録を読む。弁解を聞く手続をして、必要なら勾留を請求する |
| 午後 | 担当事件の記録を検討し、捜査の方針を決める。警察と相談し、参考人や被疑者の取調べをする |
| 夕方以降 | 事件の処分を判断し、上司の決裁を受ける。残業することもある |
立会事務官は、検事とペアになって取調べに立ち会ったり、書類を整えたりする検察事務官です。パンフレットでは「二人三脚」と表現されています。
検事採用サイトで紹介されている刑事部の検事の例では、事件関係者の都合に合わせて夜に取調べをすることもあるとされています。日中は取調べや現場の確認、夕方からは記録やスマートフォンの解析データの分析、という流れの例もあります。
公判を担当する検事の1日(例)
公判を担当する検事は、朝に立会事務官と予定を確かめてから、記録を持って裁判所へ向かいます。戻ってからは上司への報告や、新しく担当になった事件の記録読みです。
裁判で証言する予定の被害者や目撃者、医師などの専門家との打ち合わせもあります。こうして見ると、法廷にいる時間は1日の一部なんですよね。
仕事の中身をもっと詳しく知りたい方は、検察官の仕事内容をわかりやすくで紹介しています。
忙しさの波はどこで来る?「担当期間」「公判前」「事件発生」で見る
検事の忙しさは、法律の期限がある時期、裁判の準備をする時期、急な事件が起きた時の3つの場面で強くなりやすいです。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
「激務かどうか」を1つの答えで言うより、どの場面で忙しくなるかを知っておくほうが、自分に合うかを考えやすくなります。
波1:身柄事件を担当している期間
逮捕された人の事件(身柄事件)には、刑事訴訟法で細かな時間の制限があります。検察官は、警察から被疑者を受け取ってから24時間以内に、裁判官に勾留を請求するかどうかを決めます。
勾留が決まったあとも、請求の日から10日以内に起訴しなければ釈放します。延長が認められても、通じて10日までです(一部の罪を除く)。
つまり、勾留中の事件を担当している間は、限られた日数の中で証拠を集めて判断を出す必要があるんです。複数の事件を同時に持つと、期限が重なる時期は特に忙しくなります。
| 段階 | 刑事訴訟法の主な期限 | 検事の動き |
|---|---|---|
| 送致を受けた直後 | 受け取りから24時間以内に勾留請求 | 記録を読み、弁解を聞いて判断する |
| 勾留の期間 | 請求の日から10日以内(延長は通じて10日まで) | 取調べ、補充捜査の依頼、処分の判断 |
| 起訴・不起訴を決めたあと | 公判の準備へ | 公判担当へ引き継ぐ、または不起訴の処理 |
波2:裁判(公判)の前
公判を担当する検事は、捜査で集めた証拠を見直して、裁判で立証できるかを確かめます。検事採用サイトによると、裁判員裁判などの重大な事件では、公判の前に冒頭陳述や論告のリハーサルをするのが一般的だそうです。
公判の日程が近づくと、証人との打ち合わせや書面づくりが集中します。この時期の忙しさは、スポーツの試合前の準備に近いイメージです。
波3:大きな事件が起きた時
検事採用サイトでは、殺人など重大な事件で警察が捜査本部を置いた場合に担当する「本部係検事」が紹介されています。事件発生の一報を受けると、検察事務官と一緒にすぐ現場に向かうそうです。
こうした役割を担っている時期は、予定どおりにいかない日も出てきます。ただ、全員がいつもこの役を担うわけではありません。
当直の回数や、勤務時間の実際の長さを検察庁が一般向けに公表した数字は、この記事の調査では確認できませんでした。そのため、ここでは時間数ではなく「どの場面で忙しくなるか」で紹介しています。
検察官の休み・残業・プライベートはどうなっている?
検察官は一般職の国家公務員です。一方で、検察官の俸給等に関する法律により、残業代にあたる超過勤務手当などは支給されません。
『休みはちゃんと取れるの?』『プライベートの時間はあるの?』というのは、いちばん気になるところですよね。
国家公務員法の決まりでは、検察官は特別職ではなく一般職の国家公務員にあたります。一般職の勤務時間や休暇は、「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律」で決められています。
そのため、検察官の勤務時間や休暇も、原則としてこの法律の枠組みの中にあると読めます。ただ、法務省や検察庁が「検察官の休みは一般の国家公務員と同じ」と明示した説明は、この記事の調査では見つけられませんでした。
残業代は出ない仕組み
検察官の俸給等に関する法律には、検察官には次の手当を支給しないと書かれています。
- 超過勤務手当(いわゆる残業代)
- 休日給
- 夜勤手当
- 宿日直手当
- 俸給の特別調整額
「残業代が出ないなんて大変そう」と感じるかもしれません。その分、検察官には一般の公務員とは別の俸給月額表が法律で決められています。
月額の具体的な数字は検事の年収・給料|俸給表でみる号俸で詳しく紹介しています。
プライベートとの両立は「波」と付き合うこと
プライベートの時間は、先ほどの忙しさの波と深く関係しています。期限の重なる時期は予定が読みにくく、落ち着いた時期にまとめて休む、という付き合い方になりやすいです。
検事採用サイトの「Work&Life」には、女性検事や育休を経験した男性検事のインタビューが載っています。キャリアの例にも「産休育休(1年)」が示されていて、家庭と両立しながら働く例が紹介されているんです。
女性の働き方や人数については、女性の検事・検察官|人数と割合でまとめています。
- 身柄事件を担当している期間の働き方の例を聞く
- 公判の前の時期の過ごし方を聞く
- 育児休業を取った人の例があるか聞く
- 休みの取り方を、配属先によって変わるかも含めて聞く
検察庁では、大学生や法科大学院生向けの説明会や座談会を開いています。現職の検事に直接聞ける場なので、気になることはメモしておきましょう。
「身柄事件が重なる時期は、どんな1日になりますか?」
「忙しい時期のあと、まとめて休むことはできますか?」
このくらい具体的に聞くと、働き方のイメージがつかみやすくなりますよ。
検察官の定年は何歳?年齢と役職のルール
検察庁法では「検察官は、年齢が六十五年に達した時に退官する」と決められています。検事総長を含め、すべての検察官が65歳です。
「検事の定年って何歳?」と調べると、63歳と書かれた情報を見かけることもありますよね。実は、検察官の定年は法律の改正で変わっているんです。
定年が変わった経緯
国家公務員法等の一部を改正する法律(令和3年法律第61号)で検察庁法が改正され、令和5年4月1日に施行されました。検察庁のホームページでは、次のように説明されています。
検察官の定年は、令和4年度までは63歳でしたが、令和5年度から段階的に引き上げられ、令和7年度からは65歳となります。
出典:検察庁ホームページ
| 期間 | 検事総長 | その他の検察官 |
|---|---|---|
| 令和4年度まで | 65歳 | 63歳 |
| 令和5年4月1日から令和7年3月31日まで | 65歳 | 64歳 |
| 令和7年4月1日以降 | 65歳 | 65歳 |

古い情報で「検察官の定年は63歳」と書かれていたら、改正前の話だと考えてください。
63歳になると変わること
定年は65歳ですが、63歳で役職が変わる仕組みがあります。検察庁法では、次長検事と検事長は63歳に達した日の翌日に検事に任命され、検事正も他の職に移ることになっています。
また、検察官の俸給等に関する法律の附則では、当分の間、検事と副検事の俸給月額は、63歳に達した日の翌日以後、それまでの号の額の100分の70になります。
| 年齢 | 主なルール | 根拠 |
|---|---|---|
| 63歳に達した時 | 次長検事・検事長は検事に、検事正は他の職に移る | 検察庁法 |
| 63歳に達した日の翌日以後 | 検事・副検事の俸給月額が100分の70になる(当分の間) | 検察官の俸給等に関する法律 附則 |
| 65歳に達した時 | すべての検察官が退官する | 検察庁法 |
検察庁法では、国家公務員法の「定年による退職の特例」(勤務延長)の規定を検察官には適用しないと定めています。定年前に短時間勤務へ移る制度(定年前再任用短時間勤務)も、検察官には適用されません。
何歳から検事になれる?
検察官の年齢で、もう1つよく聞かれるのが「何歳までなら目指せるか」です。検察庁のホームページでは、年齢に特段の制限はないとされています。
法務省の発表では、第78期の検事任官者(令和8年3月26日付け)は68人で、平均年齢は26.3歳でした。最年長は36歳、最年少は23歳です。
「検察官はやめとけ」と言われるのはなぜ?大変なところと辞めた後の道
「やめとけ」という言葉の多くは、責任の重さや忙しさの波から来ています。どんな面が大変なのかを具体的に知っておけば、自分に合うかを落ち着いて考えられます。
「検察官 やめとけ」という言葉を見ると、ドキッとしますよね。ただ、これは仕事そのものを否定しているというより、大変な面を強く言い表したものだと考えてみてください。
大変なところと、その向き合い方
| 大変なところ | どうしてそうなるか | 向き合い方の例 |
|---|---|---|
| 判断の責任が重い | 起訴するかどうかで、人の人生が大きく変わる | 一人で抱えず、上司の決裁や相談の仕組みを使う |
| 期限に追われる時期がある | 身柄事件には法律の時間制限がある | 期限を一覧にして、先回りで準備する |
| 予定が読みにくい日がある | 事件関係者の都合や、急な事件がある | 落ち着いた時期に休みを計画する |
| 全国転勤がある | 検事は国家公務員で、全国転勤とされている | 若手の時期の異動の流れを先に知っておく |
| 人のつらい話を聞く | 被害者や関係者から事情を聞く | 立会事務官や同僚と話し、気持ちを切り替える |
検事は、決裁官(上司)の決裁を受けて事件の処分を決めます。一人だけで全部を決める仕事ではない、という点は知っておくと少し気が楽になるはずです。
全国転勤の流れは、検事の転勤・異動|全国転勤の頻度で紹介しています。
「検察官をやめたい」と感じた時に考えること
働いていると、「検察官をやめたい」と感じる時期があるかもしれません。それ自体は、どんな仕事でも起こりうることです。
『もう向いていないのかも』と思ったら、まずは忙しさの波の中にいるだけなのか、仕事そのものが合わないのかを分けて考えてみてください。期限が重なる時期を過ぎると、見え方が変わることもあります。
- 今の忙しさが一時的な波かどうかを考える
- 上司や同僚に、担当の量について相談する
- 異動の時期と、次の配置の希望を確かめる
- 辞めた後の道(弁護士など)を知っておく
自分に合うかどうかを先に考えたい方は、検察官に向いている人とは?も参考にしてみてください。
検事の辞職・退職と、その後の道
検事を辞職・退職したあとに弁護士として働く人もいます。また、法務省は、検事を辞めた人が再び検事になる「再任官」の募集要件も公表しています。

検事は司法修習を終えて法曹の資格を持っているので、辞めた後に弁護士になる道があります。検事を辞めて弁護士になった人は「ヤメ検」と呼ばれることがあります。
詳しくは元検事の弁護士(ヤメ検)とは?で紹介しています。
一度辞めても、検事に戻れる?
法務省は「弁護士からの検事任官・検事への再任官」の案内を出しています。検事への再任官の応募要件は、「検事として少なくとも3年程度は勤務し得る者」です。
| 道 | 法務省が示す主な要件・方法 |
|---|---|
| 弁護士から検事になる | 弁護士経験が概ね3年ないし15年程度で、検事として少なくとも3年程度勤務できる人 |
| 検事に再任官する | 検事として少なくとも3年程度勤務できる人 |
| 選考のしかた | 書類審査と面接試験 |
検事の辞職の数や離職率を、法務省や検察庁が公表した数字は、この記事の調査では確認できませんでした。そのため、「何割が辞める」といった話はここでは書きません。
検察官の副業は?
検察官の副業について、検察官向けに書かれた公式の説明は、この記事の調査では見つけられませんでした。検察官は一般職の国家公務員なので、国家公務員としての服務の決まりに沿うことになります。
副業を考えている場合は、配属先や人事の担当に確かめるのが確実です。ネットの情報だけで判断しないようにしておきましょう。
「定年は63歳」「辞めたら二度と戻れない」といった情報は、古い制度や一部の話であることがあります。定年は令和7年4月1日以降は65歳で、再任官の道も法務省が案内しています。
よくある疑問:検事の働き方について寄せられる質問
Q&Aサイトには、検察官の定年や、辞めた後の道についての質問が多く寄せられています。閲覧の多い質問を要約して、制度の面から答えます。
「検察官の定年延長って、何が変わったの?」
定年延長について「何が問題なのか分からない」という質問は、閲覧数が多いものの一つです。ここでは、議論の中身には立ち入らず、今の制度がどうなっているかだけを説明しますね。
今の検察庁法では、検察官の定年は65歳です。令和5年4月1日施行の改正で、63歳だった定年が段階的に引き上げられ、令和7年4月1日からは全員65歳になりました。
また、検察官には、国家公務員法の勤務延長の規定は適用されません。63歳で次長検事・検事長などの役職を離れる仕組みも、検察庁法で決められています。
「検察官を辞めて弁護士になって、また検察官になれる?」
辞めた後に弁護士になり、もう一度検察官に戻れるのかという質問もよく見かけます。答えは、制度としては道があります。
法務省は、検事への再任官の応募要件を「検事として少なくとも3年程度は勤務し得る者」としています。選考は書類審査と面接試験です。
「やめとけ・きついと言われるけど、実際どうなの?」
検察事務官について「やめとけ」「きつい」と言われて迷っている、という質問は特に多く読まれています。検察官についても同じような不安を持つ方は多いはずです。
法務省の採用案内では、検察事務官の勤務時間は1日7時間45分、週休2日制、年次休暇は20日とされています。検察事務官の仕事は検察事務官とは?で詳しく紹介しています。
「きつい」かどうかは、人によって感じ方が違います。大変な場面を知ったうえで、それでもやりたいと思えるかを考えてみてください。
検事を目指すなら、入口は司法試験(または予備試験)です。早めに試験の全体像と勉強の進め方を知っておくと、働き方を含めて将来の選択肢を落ち着いて考えられますよ。独学でも、法科大学院でも、講座を使っても、自分に合った進め方を選んでみてください。
司法試験・予備試験の情報
検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から
検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。
無料司法試験・予備試験の案内を見る試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。
よくある質問
検事は激務ですか?
忙しさには波があります。身柄事件の期限が重なる時期や、裁判の前は忙しくなりやすい一方、落ち着く時期もあります。勤務時間の実際の長さを検察庁が公表した数字は、この記事の調査では確認できませんでした。
検事の定年は何歳ですか?
検察庁法で65歳と決められています。令和4年度までは63歳でしたが、令和5年度から段階的に引き上げられ、令和7年4月1日以降はすべての検察官が65歳です。
検察官に残業代は出ますか?
検察官の俸給等に関する法律で、超過勤務手当(残業代)や休日給、夜勤手当、宿日直手当は支給しないと決められています。
検事を辞めた後はどうなりますか?
弁護士として働く道があります。また、法務省は検事への再任官の応募要件として「検事として少なくとも3年程度は勤務し得る者」を示しています。
検察官になるのに年齢の制限はありますか?
検察庁のホームページでは、年齢に特段の制限はないとされています。第78期の検事任官者の平均年齢は26.3歳でした。
まとめ
- 検事の忙しさには、身柄事件の期限・公判前・急な事件という波がある
- 検察官には残業代(超過勤務手当)が支給されない
- 検察官の定年は65歳。63歳で役職や俸給が変わる仕組みがある
- 「やめとけ」は大変な面の裏返し。どこが大変かを知ってから考える
- 辞めた後は弁護士の道があり、検事への再任官の制度もある





コメント