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副検事になりたいけれど、司法試験に受からないと無理なのか、どんな試験なのか分からず迷っていませんか。
結論から言うと、副検事になるには「公務員として通算3年以上の経験」と「副検事選考試験の合格」が中心の道です。司法試験に合格していなくても、検察事務官や警察官などの公務員から目指せます。
この記事を読めば、副検事試験の中身と受験資格、出身別の準備のしかたが分かります。
副検事になるには?入口は2つある
検察庁法では、副検事は「司法修習生となる資格を得た者」か「三年以上政令で定める二級官吏その他の公務員の職に在つた者」で、選考を経た人から任命できるとされています。
副検事になるには、大きく分けて2つの入口があります。
『検事って司法試験に受かった人しかなれないんじゃないの?』と思っている方も多いはずです。実は副検事なら、公務員としての経験から目指す道が法律で用意されているんです。
| 入口 | どんな人が当てはまるか | その後 |
|---|---|---|
| 司法試験ルート | 司法試験に合格した人 | 副検事選考を受けられる |
| 公務員経験ルート | 決められた公務員の職に通算3年以上いる人 | 副検事選考を受けられる |
どちらの入口でも、最後は「副検事選考」に合格する必要があります。選考を行うのは、法務省の「検察官・公証人特別任用等審査会」という機関です。
副検事試験と副検事選考は同じもの?
ふだん「副検事試験」と呼ばれているのは、この副検事選考のことです。検察庁の資料でも「『副検事選考』(副検事試験)」と書かれています。
副検事選考試験という言い方も、同じものを指していると考えて大丈夫ですよ。
多くの人がたどるのは公務員経験ルート
検察庁の資料では、検察事務官として採用された後、受験資格を得て、毎年1回の副検事選考に合格すれば副検事になれると紹介されています。
また、検察事務官以外にも、矯正官署や保護官署、裁判所、自衛隊などで働いていた人が副検事に任官しているそうです。
副検事という仕事そのものは副検事とは?検事との違い・仕事の範囲で紹介しています。
副検事になるまでの3段階タイムライン
副検事への道は、①公務員として通算3年の経験を積む、②選考(筆記・口述)に合格する、③任命される、の3段階で考えると見通しが立ちます。
副検事になるまでの道のりを、時間の流れに沿って並べてみました。

- 公務員として、決められた職に通算3年以上つく
- 副検事選考の筆記試験(第1次)と口述試験(第2次)に合格する
- 副検事に任命され、区検察庁で働き始める
段階1:公務員として通算3年
例えば、職場でこんな会話をしたことはありませんか。
「採用されて3年たったら、副検事試験を受けられるんですよね?」
「年数だけじゃなくて、どの職・どの級にいたかも数えるんだよ」
受験資格の「3年」は、採用されてからの年数そのものではありません。検察庁法施行令で決められた職に、通算で3年以上ついていることが必要なんです。
検察庁の資料では「任官予定日現在で3年以上」の経験と説明されています。いくつかの職を経験した場合も、年数は通算されます。
検察事務官の場合の「3年」の数え方
検察事務官の場合は、俸給表の種類にも目を向けておきましょう。法務省の採用案内では、採用時は行政職俸給表(一)で、一定の経験の後に公安職俸給表(二)が適用されると説明されています。
その目安は、大卒程度の合格者でおおむね1年、高卒者の合格者でおおむね5年です。受験資格になるのは公安職俸給表(二)の一定の級以上の検察事務官なので、採用年からそのまま3年を数えればよいわけではないんです。
| 確かめたいこと | どこで確かめるか |
|---|---|
| 今の自分の俸給表と級 | 辞令や給与の明細、人事担当 |
| 受験資格のある職に何年いるか | 人事担当、検察庁法施行令第2条 |
| 任官予定日の時点で通算3年になるか | その年の選考の案内 |
段階2:選考(筆記と口述)
選考は、第1次の筆記試験と、第2次の口述試験の2段階です。法務省の議事概要と検察庁の資料から、時期の目安を表にしました。
| 時期の目安 | 主な出来事 |
|---|---|
| 6月 | 出願の締め切り(令和4年度は6月20日) |
| 7月上旬 | 筆記試験(令和8年度は7月3日) |
| 9月上旬 | 審査会で筆記の結果が決まる(議事概要の開催日) |
| 10月上旬 | 口述試験(令和7年度は10月6日) |
| 翌年4月 | 任官(令和4年度の選考では令和5年4月) |
令和4年度の例では、筆記試験は全国8か所の高等検察庁で、口述試験は法務省で行われました。年度によって日にちは変わるので、受ける年の案内を確かめてみてください。
段階3:任命
選考に合格すると、副検事に任命されます。検察庁法では、副検事は区検察庁の検察官の職にだけつくとされています。
- 自分の今の職が、受験資格のある職に当たるか
- 任官予定日の時点で、通算3年以上になるか
- その年の出願の締め切りと試験日
- 筆記と口述、それぞれの準備の時間をとれるか
副検事試験の内容と難易度
副検事選考の科目は、筆記・口述とも「憲法・民法・刑法・刑事訴訟法・検察庁法」の5科目です(検察庁の資料)。
ここからは、副検事試験の中身を見ていきましょう。
試験科目
| 段階 | 方法 | 科目 |
|---|---|---|
| 第1次選考 | 筆記試験 | 憲法・民法・刑法・刑事訴訟法・検察庁法 |
| 第2次選考 | 口述試験 | 憲法・民法・刑法・刑事訴訟法・検察庁法 |
刑法や刑事訴訟法は、検察の仕事そのものに直結する科目です。検察庁法は、検察官の官名や任命のしかたを決めた法律なんです。
口述試験は、面接の場で質問に口頭で答える形式です。知識を覚えるだけでなく、言葉にして説明できるかも問われると考えておきましょう。
合格者数から見る難易度
法務省の審査会の議事概要には、毎年の結果が載っています。
| 年度 | 筆記の結果 | 最終の結果 |
|---|---|---|
| 令和8年度 | 受験者130人中38人合格 | 未発表(2026年10月11日時点) |
| 令和7年度 | 受験者134人中28人合格 | 口述の受験者28人中27人が最終合格 |
| 令和6年度 | 受験者133人中31人合格 | 口述の受験者35人中29人が最終合格 |
表を見ると、筆記の段階で合格者がぐっとしぼられているのが分かりますよね。一方で、口述まで進んだ人の多くが最終合格しています。
検察庁の資料では、令和元年度43名、令和2年度37名、令和3年度45名が合格したと紹介されています。毎年の合格者は数十人の規模なんです。
令和6年度は、筆記の合格者31人に対して口述の受験者が35人と、人数が合いません。理由は議事概要に書かれていないため、この記事では数字をそのまま紹介しています。
副検事試験の過去問はある?
副検事試験の過去問を探している方も多いですよね。ただ、法務省や検察庁が過去問を公開しているかどうかは、この記事の調べでは確認できていません。
過去問が手に入らない時は、5科目の条文と基本的な考え方を固めておくのが近道です。職場に研修や勉強会がある場合は、そちらも確かめてみてください。
「過去問さえ解けばいい」と考えて、条文を読まずに問題だけを追いかけてしまうことです。口述試験では、条文の意味を自分の言葉で説明する力が求められます。
受験資格のある公務員と、出身別の準備
検察庁法施行令では、検察事務官だけでなく、警部以上の警察官や裁判所書記官、入国審査官、自衛官の一部なども受験資格のある職として挙げられています。
『自分の職でも受けられるのかな?』という方のために、施行令に挙げられている主な職をまとめました。
| 分野 | 受験資格のある主な職(一定の級以上など) |
|---|---|
| 検察 | 検察事務官 |
| 法務 | 法務事務官、法務教官、地方更生保護委員会の委員 |
| 出入国 | 入国審査官、入国警備官 |
| 裁判所 | 裁判所調査官、裁判所事務官、裁判所書記官、家庭裁判所調査官など |
| 警察 | 警部以上の警察官 |
| 自衛隊 | 警務官である三等陸尉・海尉・空尉以上の自衛官 |
| 調査 | 公正取引・国税・金融商品取引・関税の犯則調査を担当する一定級以上の事務官 |
どの職にも「何級以上」といった条件が付いています。自分が当てはまるかは、職場の人事担当に確かめるのが確実です。

検察事務官から副検事を目指す場合
検察事務官から副検事を目指す人は、毎日の仕事そのものが準備につながります。立会事務官として取調べに立ち会ったり、書類を作ったりする経験は、刑事訴訟法の理解に役立ちますよね。
施行令では、公安職俸給表(二)の一定の級以上の検察事務官が対象です。2級の人は、区検察庁で検察官の事務を取り扱う人に限られています。
検察事務官の仕事や採用試験については検察事務官とは?検事との違い・仕事内容で紹介しています。
警察官から副検事を目指す場合
警察官から副検事を目指す場合、受験資格があるのは警部以上の警察官です。
捜査の経験は大きな強みですが、民法や憲法は警察の仕事ではふだん触れない人も多いはずです。苦手な科目から先に手をつけておくと安心ですよ。
裁判所やほかの官庁から目指す場合
裁判所書記官や裁判所事務官などは、法律の手続きに慣れている人が多い職です。一方で、検察庁法は初めて読むという人もいるでしょう。
ほかの省庁から目指す場合は、刑法と刑事訴訟法の比重を高めにして準備を始めてみてください。
| 出身 | 強みになりやすいこと | 重点を置きたい科目の例 |
|---|---|---|
| 検察事務官 | 検察の実務と手続きに日々触れている | 民法・憲法 |
| 警察官 | 捜査の現場の経験がある | 民法・憲法・検察庁法 |
| 裁判所職員 | 裁判の手続きに慣れている | 刑法・検察庁法 |
| ほかの官庁 | それぞれの分野の法律知識がある | 刑法・刑事訴訟法・検察庁法 |
これは科目の性質から考えた目安です。自分の得意・不得意に合わせて組み直してみてください。
副検事試験の勉強の進め方と、司法試験との関係
副検事試験の勉強は、まず筆記に向けて5科目の基本を固め、そのうえで口述に向けて「説明する練習」を重ねる順番がおすすめです。
働きながら副検事試験を目指す人がほとんどなので、勉強の時間をどう作るかが一番の悩みどころですよね。
- 5科目の条文を一通り読み、全体像をつかむ
- 刑法と刑事訴訟法など、仕事に近い科目から理解を深める
- 民法や憲法など、ふだん触れない科目に時間を回す
- 筆記試験のあとは、口頭で説明する練習に切りかえる

口述試験に向けた準備
口述試験は、筆記とは違う力が試されます。『知ってはいるのに、うまく言葉にできない』という悩みはよくあることなんです。
「逮捕された後の時間の決まりを説明してください」
「はい。警察が逮捕した場合は、まず…」
こんなふうに、聞かれたら順番に答える練習をしておくと本番で慌てません。
例えば、刑事訴訟法の手続きを一つ選び、「どんな時に、誰が、何をするのか」を声に出して説明してみてください。1分ほどで言えるようになれば、口述の土台ができてきます。
- 5科目の大事な条文を、自分の言葉で説明できるか
- 答えに詰まった時、落ち着いて考え直せるか
- 職場の先輩や仲間と、質問し合う練習をしたか
働きながら勉強を続けるコツ
副検事試験を受ける人の多くは、すでに公務員として働いています。忙しい時期と勉強の時期が重なるのは避けられませんよね。
続けるためのコツは、毎日の勉強を「短く、決まった時間に」することです。例えば、出勤前に条文を少し読み、休日にまとめて問題を考える、といった形です。
最初から長い時間を毎日確保しようとすると、仕事が立て込んだ時に計画が崩れてしまいます。少ない時間でも続けられる計画を先に作っておきましょう。
独学と講座、どちらで進める?
副検事試験は受験者が少ないため、専用の教材は多くありません。そのため、職場の研修や勉強会、法律の基本書を組み合わせて独学で進める人もいます。
一方で、憲法・民法・刑法・刑事訴訟法は司法試験とも重なる科目です。司法試験向けの講座や通信講座で基本を学ぶという選び方もあります。
| 進め方 | 向いている人 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 独学(基本書と条文) | 自分で計画を立てて続けられる人 | 口述の練習相手を見つけておく |
| 職場の研修・勉強会 | 同じ目標の仲間がいる職場の人 | 開かれる時期や回数が限られることも |
| 講座・通信講座 | 基本から順番に学びたい人 | 副検事試験の科目と合うか確かめる |
- 憲法・民法・刑法・刑事訴訟法のどこまでを扱っているか
- 検察庁法のように、副検事試験に独自の科目をどう補うか
- 仕事の後や休日など、自分の時間に合わせて受けられるか
- 口述の練習につながる教材や仕組みがあるか
- 途中で予定が変わった時に、ペースを調整できるか
講座を使う場合も、副検事試験の科目に合う部分だけを選んで使う、という考え方で大丈夫です。独学と組み合わせる人もいますよ。
副検事試験と司法試験の関係
副検事試験と司法試験は、別の試験です。ただ、司法試験に合格した人は副検事選考の受験資格を持つことになります。
それに司法試験に合格し、司法修習を終えれば、副検事ではなく最初から検事になる道も開けます。将来検事まで目指したいなら、どちらの道が自分に合うかを早めにくらべておくと安心です。
| くらべる点 | 副検事試験 | 司法試験 |
|---|---|---|
| 受けられる人 | 決められた公務員の経験がある人など | 法科大学院の修了者や予備試験の合格者など |
| 合格した後 | 副検事に任命される | 司法修習を経て、検事・裁判官・弁護士になる資格を得る |
| 検事になるまで | 副検事を3年以上務め、検察官特別考試に合格 | 司法修習を終えれば、検事に任官できる道がある |
副検事から検事になる道は特任検事とは?検察官特別考試の仕組みで、検事になる道全体は検事になるには?で紹介しています。
科目が重なる司法試験(予備試験)は、検事になるための入口でもあります。副検事試験の勉強をきっかけに、試験の全体像や勉強の進め方を知っておくと、選べる道が広がりますよ。
司法試験・予備試験の情報
検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から
検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。
無料司法試験・予備試験の案内を見る試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。
副検事試験についてよくある疑問
副検事試験について、よく読まれている質問を選んで答えます。
副検事なら、検察事務官からでもなれる?
「検事は司法試験合格者しかなれないと思っていたけれど、副検事なら検察事務官からでもなれるの?」という質問がありました。
答えは、なれます。検察事務官として決められた職に通算3年以上つき、副検事選考に合格すれば、副検事に任命される道があります。
なお、副検事を3年以上務めて検察官特別考試に合格すれば、検事になる道もあるんです。
警部でも副検事試験を受ける人はいる?
「警察の警部で副検事試験を受ける人っているの?」という質問も多く読まれています。
施行令では、警部以上の警察官は受験資格のある職に入っています。検察庁の資料にも、検察事務官以外のさまざまな公務員が任官していると書かれています。
ただ、出身ごとの人数は公表されていません。警察官から副検事になった人がどのくらいいるかは、数字では確かめられないんです。
「検察官事務取扱副検事」とは何が違う?
「単に『副検事』とされる人と『検察官事務取扱副検事』とされる人で、職責は違うの?」という質問もありました。
検察庁法の附則では、検察官が足りない時に、法務大臣が区検察庁の検察事務官に検察官の事務を取り扱わせることができるとされています。この人は、法律の上ではあくまで検察事務官です。
一方の副検事は、選考を経て任命された検察官です。なお「検察官事務取扱副検事」という呼び方が公式に使われているかは、この記事の調べでは確認できていません。
ほかの省庁から受けるなら、どう勉強する?
「他省庁から副検事試験を受けようと思うけれど、どんな勉強をすればいいか分からない」という質問もありました。
まずは、自分の職が受験資格のある職に当たるかを人事担当に確かめてみてください。そのうえで、5科目の条文と基本書から始めるのが王道です。
検察の手続きに触れる機会が少ない場合は、刑事訴訟法と検察庁法を早めに読んでおくと安心ですよ。
よくある質問
副検事試験の受験資格は何ですか?
検察庁の資料では、司法試験に合格した人か、任官予定日現在で3年以上、決められた公務員などの経験がある人とされています。
副検事試験の科目は何ですか?
筆記・口述とも、憲法・民法・刑法・刑事訴訟法・検察庁法の5科目です。
副検事試験は毎年ありますか?
はい、毎年1回行われています。筆記試験は7月上旬、口述試験は10月上旬に行われた年が続いています。
検察事務官になって1年で副検事試験を受けられますか?
受験資格には、決められた職での通算3年以上の経験が必要です。採用から1年では受験資格を満たさないと考えておきましょう。
副検事試験に年齢制限はありますか?
検察庁は、検察官になるのに年齢の特段の制限はないと説明しています。
まとめ
- 副検事になるには、公務員として通算3年以上の経験と副検事選考の合格が中心の道
- 司法試験に合格した人も、副検事選考を受けられる
- 科目は憲法・民法・刑法・刑事訴訟法・検察庁法の5つで、筆記と口述がある
- 令和7年度は筆記の受験者134人中28人が合格し、27人が最終合格
- 検察事務官・警察官・裁判所職員など、受験資格のある職は幅広い





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