司法修習から検事任官まで|検察修習・採用の流れと新任検事の人数

司法修習から検事任官までの流れを紹介する記事のアイキャッチ。法律書とノートの置かれた勉強机

当サイトの記事は編集部が法令や法務省・検察庁・最高裁判所などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。個別の事件や法律相談には対応していません。記事内に司法試験・予備試験の情報や対策講座への案内を含む場合があります。

司法試験に受かったら、すぐ検事になれると思っていませんか。実は、その間に約1年間の司法修習があって、そこが検事への大事な通り道なんです。

結論から言うと、検事任官は司法試験合格、司法修習、二回試験の合格、採用、任官の順に進みます。この記事では、司法修習の中で検事志望の人が意識したいタイミングと、新任検事の人数を紹介します。

目次

検事任官までの道のりを先に見ておこう

先に結論

検察庁の採用サイトでは、司法試験に合格した後、合計約1年間の司法修習を経て二回試験に合格すれば、検事・裁判官・弁護士のいずれかになる資格を得ると説明されています。

「司法試験に受かったら、もう検事?」
「まだだよ。修習と二回試験、それに採用を経て、やっと任官なんだ」

「検事任官」とは、検事に任命されることです。任官すると、法務大臣から辞令が交付されます。

『検事と検察官って違うの?』と思う方もいるはずです。検察官は検事総長・次長検事・検事長・検事・副検事の5つの官名をまとめた呼び方で、新任で就くのは「検事」です。違いは検察官と検事の違いで紹介しています。

検事任官までの5ステップ
  1. 司法試験に合格する(法科大学院修了・予備試験合格・在学中受験のいずれかで受験資格を得る)
  2. 最高裁判所から司法修習生に採用される
  3. 約1年間の司法修習を受ける
  4. 司法修習生考試(二回試験)に合格する
  5. 検事に採用され、任官する

司法試験までのルートは検察官と司法試験|予備試験・法科大学院ルートで詳しく紹介しています。

司法修習の1年を時間軸で見る

検察修習は分野別実務修習の中にある

最高裁判所の説明では、司法修習は導入修習、分野別実務修習、選択型実務修習と集合修習の順に進みます。検察の修習は、分野別実務修習の4分野の1つです。

裁判所法第67条では、司法修習生は少なくとも1年間修習をした後、試験に合格して修習を終えると定められています。修習期間中は修習に専念しなければならないんです。

ここでは、この記事の独自のまとめとして、修習の流れと検事志望の人が意識したいことを時間軸の表にしました。日程は第79期(令和7年度司法修習生)の採用選考の手引きの値です。

時期(第79期)修習の段階検事志望が意識したいこと
令和8年3月19日〜4月10日導入修習(司法研修所)修習全体の進み方をつかむ
令和8年4月14日〜11月20日分野別実務修習(民事裁判・刑事裁判・検察・弁護)検察修習で検事の仕事を間近で見る
令和8年11月下旬〜令和9年2月下旬選択型実務修習と集合修習(約1か月半ずつ)集合修習で検察の科目も学ぶ
修習の最後二回試験合格で検事になる資格を得る
二回試験の後任官新任検事として辞令を受ける

選択型実務修習と集合修習の順番は、実務修習地によって変わります。また、実務修習地での住まいは各自で用意する決まりです。

司法修習の導入修習から分野別実務修習、選択型・集合修習、二回試験、任官までを時間の順に並べた図解
期間の書き方が資料で違う理由

最高裁判所の「司法修習の概要」は、分野別実務修習を約8か月、選択型実務修習と集合修習をそれぞれ約2か月と一般的に説明しています。第79期の手引きは実際の日程なので、少し短く見えるんです。

検察修習では何をする?

最高裁判所の説明では、検察修習では実際の犯罪事件について、指導係検事などの指導の下で捜査を学び、体験します。検察修習の中身は、検事の仕事をそのまま体験するイメージです。最高裁判所の説明をもとに、主な内容を並べてみました。

検察修習で経験すること
  • 証拠を集める捜査を学ぶ
  • 被疑者や参考人の取調べなどを体験する
  • 起訴するか不起訴にするかの意見を述べる
  • 検察官が立ち会う公判を傍聴する

法務省の「検事に採用されるまで」のページでは、検察修習は民事裁判・刑事裁判・弁護と同じく2か月ずつ行われると紹介されています。実務家とのふれあいを通して、検事の職務内容や生身の検事の姿を知ることができる、とも書かれています。

『自分は検事に向いているのかな』と迷っている人にとっては、確かめるいい機会になりますよね。検事に向いている人の特徴は検察官に向いている人とは?で紹介しています。

集合修習と二回試験

集合修習は、司法研修所で行われます。民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護の5科目なので、検察の科目もここでもう一度学ぶことになります。

修習の最後にあるのが、司法修習生考試です。よく「二回試験」と呼ばれていて、合格すると判事補・検事・弁護士になる資格を得ます。

考試で何を問うかは、裁判所法第67条で最高裁判所が定めるとされています。直近の受験者数や合格者数は、この記事の調べでは確認できませんでした。

検事の採用はいつ、どう決まる?

採用面接は修習期間中

法務省の説明では、修習期間中に検事採用面接があり、能力・適性・人格・識見を総合的に判断して採用するとされています。

ただ、法務省のこのページのモデル例は、新司法試験の頃の古い日程です。今の第79期などで、採用面接がいつ行われるかの公表値は確認できませんでした。

時期をはっきり知りたい方は、検察庁の採用サイトや説明会で確かめてみてください。

修習前から参加できる説明会もある

検察庁の採用サイトでは、令和8年度にもオンライン座談会や大学生向け業務説明会、地方検察庁の体験型プログラムが行われたと紹介されています。開催情報は採用サイトで案内されています。

よくある思い込み

『修習が始まってから考えればいい』と思っていると、説明会の機会を逃すこともあります。大学生・法科大学院生向けの催しもあるので、早めに採用サイトをのぞいておきましょう。

修習中のお金の制度

司法修習生には、最高裁判所から修習給付金が出ます。基本給付金は給付期間ごとに13万5千円で、家賃を払っている人は住居給付金として3万5千円が加わります。

修習のために引っ越しが必要な人には、移転給付金もあります。修習専念資金の貸与制度もありますが、貸与額の詳しい内容は確認できませんでした。

新任検事の人数は?期ごとの任官実績

毎年70人前後が任官

法務省の発表では、第68期から第77期までの検事任官者は合計714人、平均71.4人です。

検事の採用数は、期ごとに法務省が発表しています。直近の3期を並べてみました。

期任官日任官者数うち女性平均年齢(任官日現在)
第78期令和8年3月26日68人33人(48.5%)26.3歳
第77期令和7年3月27日82人28人(34.1%)25.8歳
第76期令和5年12月14日76人31人(40.8%)27.5歳

第78期の最年長は36歳、最年少は23歳でした。第76期では最年長43歳、最年少22歳です。

検察庁の採用サイトは、同じ人数を「令和7年度68人」「令和6年度82人」と年度で書いています。3月の任官は前年度に数えるので、期と年度でずれて見えるだけで中身は同じです。

新任検事の人数を第76期・第77期・第78期で並べ、女性の人数と平均年齢を添えた図解

検事任官についてのよくある疑問

年齢や学歴の制限はない

検察庁HPでは、検察官になるのに年齢の特段の制限はなく、学歴の制限もないと説明されています。

検事の採用について、よく見かける疑問を3つ選んで答えてみます。

『検察官の採用条件は?司法試験は必須なの?』

検事になるには、司法試験に合格する必要があります。検察庁HPでは、年齢の制限はなく、学歴も問わないと説明されています。

ただ、法科大学院を修了しているかどうかで、受ける試験の種類が変わることがあります。予備試験に受験資格の制限がないので、学歴にかかわらず予備試験から受験資格を得る道もあるんです。

『採用されなかった人はどうなるの?』

二回試験に合格すれば、検事・裁判官・弁護士のいずれかになる資格を得ます。検事に採用されなかったとしても、法曹の資格そのものがなくなるわけではありません。

さらに法務省は、弁護士からの検事任官の募集もしています。応募の目安は弁護士経験がおおむね3年から15年程度で、書類審査と面接で選考されます。

『裁判官になった後に、検事になれる?』

検察庁法第18条では、検事になれる資格の一つに「裁判官の職に在つた者」が挙げられています。ただ、裁判官から検事への転官を説明した制度のページは確認できませんでした。

裁判官との違いは検事と裁判官の違いで紹介しています。

司法修習の前に、司法試験の準備をどう始める?

入口は司法試験(予備試験)

検事任官までの道は、司法試験に合格しないと始まりません。早めに試験の全体像を知っておくと、自分に合うルートを選びやすくなります。

ここまで読んで『まず何から手をつければいいの?』と感じた方も多いはずです。準備の進め方は、独学、予備校、通信講座、法科大学院のどれでも正当な選択肢です。

進め方向いている人確かめたいこと
独学自分で計画を立てて続けられる人試験科目の全体を自分で押さえられるか
予備校・通信講座学習の順番や添削がほしい人自分の生活時間に合う形か、答案の添削があるか
法科大学院学びながら受験資格を得たい人既修者コースか未修者コースか、在学中受験の条件

社会人や大学生が気をつけたいこと

社会人の方は、仕事と両立できるペースを先に決めておくのがおすすめです。平日に少しずつ進めるのか、週末にまとめて進めるのかで、合う教材や講座の形も変わってきます。

大学生の方なら、法曹コースという道もあります。法務省の資料では、大学を3年で早期卒業して法科大学院の既修者コース(2年)に進む仕組みと説明されています。

「予備試験と法科大学院、どっちがいいの?」
「どちらも受験資格を得る正当な道。自分の時間とお金の事情で選べばいいよ」

こんなふうに、どちらが上かではなく、自分の状況に合うかで考えてみてください。司法試験の受験期間は、受験資格を得てから5年以内なので、その間に合格を目指す計画を立ててみてください。

法務省のQ&Aでは、令和8年の司法試験は7月15日から19日のうち4日間で行われ、合格発表は11月11日の予定です。試験は年1回なので、逆算して1年単位の計画にしておくと動きやすくなりますよ。

令和8年からは、短答式・論文式ともCBT試験(コンピューターで解答する方式)が導入されました。過去問を解く時も、画面で答案を書く練習を少し混ぜておくと安心です。

準備を始める前に確かめたいこと
  • 予備試験と法科大学院のどちらのルートで受験資格を得るか
  • 短答式(憲法・民法・刑法)と論文式の科目を把握する
  • 1週間に勉強に使える時間を書き出す
  • 講座を使うなら、無料の説明や体験で進め方が合うかを見る

講座の選び方や勉強の始め方は司法試験・予備試験の勉強の始め方で詳しく紹介しています。検事になるまでの全体の年数は検事になるには?もあわせてどうぞ。

検事を目指すなら、まず試験の情報と対策講座の中身を知っておくと、次の一歩がはっきりしますよ。

司法試験・予備試験の情報

検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から

検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。

無料司法試験・予備試験の案内を見る

試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。

よくある質問

司法修習はどのくらいの期間ですか?

検察庁の採用サイトでは合計約1年間と説明されています。裁判所法では、少なくとも1年間修習をした後に試験に合格すると修習を終えると定められています。

検察修習は何か月ですか?

法務省の説明では、分野別実務修習で民事裁判・刑事裁判・検察・弁護の修習を2か月ずつ行います。

検事の採用面接はいつありますか?

法務省の説明では修習期間中に採用面接があります。現在の期の具体的な時期は公表値を確認できなかったので、採用サイトや説明会で確かめてみてください。

毎年何人が検事に任官していますか?

法務省の発表では、第78期(令和8年3月26日付け)が68人、第77期(令和7年3月27日付け)が82人です。第68期から第77期の平均は71.4人です。

司法修習中にお金はもらえますか?

最高裁判所の修習給付金があり、基本給付金は給付期間ごとに13万5千円です。家賃を払っている場合は住居給付金3万5千円が加わります。

まとめ

この記事の要点
  • 検事任官は司法試験合格、司法修習、二回試験、採用の順に進む
  • 司法修習は約1年で、検察修習は分野別実務修習の中で2か月
  • 採用面接は修習期間中(現在の時期の公表値は未確認)
  • 新任検事は第78期で68人、第68期から第77期の平均は71.4人
  • 入口は司法試験なので、ルートと勉強の進め方を早めに決める
検事ドットコム

検事ドットコム 編集部

検事・検察官の仕事や役職、検事・副検事・検察事務官のなり方と試験、送致・起訴・公判といった刑事手続きのしくみを、法令と公的機関の情報をもとにわかりやすく整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次