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弁護士のプロフィールで「元検事」と書かれているのを見て、どういう経歴なのか気になったことはありませんか。検事と弁護士は反対の立場なのに、行き来できるのか不思議ですよね。
結論から言うと、検事は司法修習を終えているので弁護士になる資格を持っていて、辞めたあとに弁護士として働くことができます。反対に、弁護士から検事になる「弁護士任官」という仕組みもあります。
この記事を読めば、元検事の弁護士とは何か、検事と弁護士の間をどう行き来できるのかが分かります。
元検事の弁護士(ヤメ検)とは?
元検事の弁護士とは、検事として働いたあと、検事を辞めて弁護士になった人のことです。ふだん「ヤメ検」と呼ばれることもありますが、法律の言葉ではなく、くだけた呼び方です。
元検事の弁護士は、検察庁で捜査や裁判を担当したあとに、弁護士として登録した人です。立場は、検事の時とは反対側になります。
検事の時は公益の代表者として事件を起訴する側でした。弁護士になると、依頼した人の権利を守る側に立つんです。
| 比べる点 | 検事だった時 | 弁護士になってから |
|---|---|---|
| 立場 | 公益の代表者 | 依頼した人の権利を守る立場 |
| 身分 | 一般職の国家公務員 | 公務員ではない |
| 刑事事件での役割 | 起訴し、法廷で罪を立証する | 弁護人として被告人の側に立つ |
| 働き始めるのに必要なこと | 検事として採用される | 日弁連に登録し、弁護士会に入る |
『元検事の弁護士は、ほかの弁護士と何が違うの?』と思いますよね。資格としては同じ弁護士で、違うのは、それまでに積んだ経験だけなんです。
検事を辞めるタイミングは人それぞれ
検察庁法では、検察官は65歳に達した時に退官すると決められています。定年まで勤めたあとに弁護士になる人もいれば、途中で辞めて弁護士になる人もいます。
「捜査の経験を、今度は依頼人のためにいかしたい」
「地元に戻って、身近な相談に乗る仕事がしたい」
辞める理由も、人によってさまざまです。どちらが正しいということはなく、働き方の選び方の一つなんです。
検事と弁護士の違いそのものは検事と弁護士の違いで紹介しています。
3方向の矢印で見る、検事と弁護士の行き来
検事と弁護士の間の行き来は、「検事から弁護士へ」「弁護士から検事へ」「副検事・特任検事の場合」の3つに分けると分かりやすくなります。
検事と弁護士の行き来は、一方通行ではありません。どちらの方向にも、法律や制度で道が用意されています。

| 方向 | どんな道か | 根拠や仕組み |
|---|---|---|
| 検事から弁護士へ | 検事を辞めて、弁護士として登録する | 司法修習を終えて得た法曹の資格 |
| 弁護士から検事へ | 弁護士から検事に採用される | 法務省の弁護士任官(書類審査と面接) |
| 副検事・特任検事の場合 | 選考や考試で検察官になった人 | 検察庁法の副検事選考・検察官特別考試 |
一度辞めた検事が戻る道もある
法務省は、弁護士からの任官とあわせて、一度辞めた人が検事に戻る「再任官」も受け付けています。応募の目安は、検事として少なくとも3年程度は勤務できることです。
例えば、検事から弁護士になり、そのあと再び検事に戻るという行き来も、制度の上では考えられるんです。
検事は弁護士資格を持っている?
最高裁判所の説明では、司法修習の最後の試験に合格すると、判事補・検事・弁護士になる資格が得られます。司法試験から検事になった人は、弁護士になる資格も持っていることになります。
「検事の弁護士資格」「検察官の弁護士資格」は、とても多く調べられているテーマです。結論から言うと、司法試験と司法修習を経て検事になった人は、弁護士になる資格を持っています。
法曹三者(検事・裁判官・弁護士)は、なるまでの道が同じです。修習を終えた時点で、3つのどれにもなれる資格を得るからなんです。
- 司法試験に合格し、司法修習を終えて検事になる
- 検事として捜査や裁判を担当する
- 検事を辞める
- 日本弁護士連合会に登録し、弁護士会に入る
- 弁護士として活動を始める

資格があっても、登録しないと活動できない
弁護士になる資格を持っていても、それだけで弁護士として働けるわけではありません。裁判所の説明では、日弁連への登録と、全国52の弁護士会のいずれかへの入会が必要です。
検事として働いている間は国家公務員です。元検事の弁護士は、検事を辞めてから登録した人ということになります。
「検察官なら全員が弁護士資格を持っている」と考えるのは正確ではありません。副検事のように、司法修習を経ずに選考でなる検察官もいるからです。
裁判官だった人も検事になれる
行き来ができるのは、検事と弁護士の間だけではありません。検察庁法では、二級の検察官になれる人として「裁判官の職に在つた者」も挙げられています。
法曹三者は、立場は違っても同じ資格の土台の上に立っています。だからこそ、経験をいかして別の立場に移ることができるんですね。
弁護士から検事へ:弁護士任官の仕組み
法務省は「弁護士からの検事任官」を受け付けています。弁護士として一定の経験を積んだ人が、書類審査と面接試験を経て検事になる仕組みです。
弁護士から検事になる道は、あまり知られていないかもしれません。法務省のページでは、条件や選考の方法が公開されています。
| 項目 | 法務省の案内 |
|---|---|
| 応募の目安 | 弁護士経験がおおむね3年ないし15年程度で、検事として少なくとも3年程度は勤務できる人 |
| 俸給 | 法曹としての経験年数を考えて決める |
| 初任地 | 本人の希望、家族の状況、充員の状況などを考えて決め、その後は同期の検事に準じて異動する |
| 選考の方法 | 書類審査と面接試験 |
『弁護士から検事へ移ったら、全国転勤もあるの?』と気になる方もいるはずです。案内では、初任地のあとは同期の検事の例に準じて異動するとされています。
応募を考える前に確かめたいこと
弁護士から検事を目指す場合は、働き方が大きく変わります。応募を考える前に、次の点を確かめておきましょう。
- 弁護士経験の年数が、おおむね3年ないし15年程度に当たるか
- 検事として少なくとも3年程度は勤務できるか
- 初任地のあとの転勤を受け入れられるか
- 問い合わせ先の法務省大臣官房人事課の最新の案内を確認したか
弁護士任官の人数は公表されていない
弁護士から検事になった人の人数は、公的な資料では確かめられていません。なので、「何人くらいいる」とは言えないのが正直なところです。
検事になる一般的な道のりは検事になるには?で紹介しています。
副検事・特任検事・訟務検事と弁護士の関係
副検事や特任検事は、司法修習を経ずに選考や考試でなる道があります。訟務検事は、国の裁判を担当する検事で、弁護士とは別の立場です。
検察官には、司法試験から検事になる人のほかに、別の入口からなる人もいます。弁護士との関係は、その入口によって変わってきます。
| 種類 | なり方 | 弁護士との関係 |
|---|---|---|
| 副検事 | 検察事務官などの公務員が副検事選考に合格 | 司法修習を経ていない場合、副検事の経験だけで弁護士になれるという公的な説明はない |
| 特任検事 | 副検事を3年以上務め、検察官特別考試に合格 | 同じく、考試の合格で弁護士の資格を得るという公的な説明はない |
| 訟務検事 | 検事が法務省訟務局などで働く | 国が当事者の民事・行政訴訟で、国の代理人として活動する |
副検事から弁護士を目指すなら
副検事から弁護士になりたい場合、確実なのは、司法試験に合格して司法修習を受ける道です。副検事選考の受験資格には司法試験に合格した人も含まれますが、副検事として働くだけで弁護士の資格がつくわけではありません。
「特任検事」は検察官特別考試を経て検事になった人の通称です。くわしくは特任検事とは?と副検事とは?で紹介しています。
訟務検事は「国の弁護士」のような立場
訟務検事は、国が訴えられた時や国が訴える時に、国の代理人として裁判に臨む検事です。法務省の説明では、法務省訟務局と全国8か所の法務局に配置されています。
仕事の中身は弁護士に近いものの、身分は国家公務員の検事のままです。
訟務検事は、訴えの相手になった役所の担当者から事情をよく聞き取り、裁判所に出す書面や証人尋問の準備をします。『検事なのに民事の裁判?』と意外に感じる方も多いはずですが、これも検事の仕事の一つなんです。くわしくは訟務検事とは?で紹介しています。
元検事の弁護士についてよくある疑問
元検事の弁護士について、ネットの質問サイトでよく見かける疑問を、内容を要約して紹介します。
疑問1「元検事の弁護士と、そうでない弁護士に違いはある?」
元検事の弁護士と、ほかの弁護士は何が違うのかという質問です。資格の上では、どちらも同じ弁護士です。
違いがあるとすれば、それまでの仕事の経験です。検事として捜査や公判を担当した経験を持っている、ということなんです。
例えば、取調べや起訴の判断がどう進むのかを、検察官の側で経験しています。こうした経験は、どの分野の相談を受けるかによって、いかし方が変わってきます。
一方で、検事の経験がない弁護士にも、それぞれ得意な分野や積み重ねた経験があります。経歴の一言だけで、良し悪しが決まるわけではないんです。
疑問2「元検事と書くのは、そのほうが印象がいいから?」
プロフィールに「元検事」と書く弁護士が多いのはなぜか、という質問もあります。これは、どんな経験をしてきたかを伝える経歴の一つと考えるのが自然です。
弁護士を探している方は、経歴だけで決めずに、相談したい内容に合っているかを確かめてみてください。法テラスや各地の弁護士会でも、相談先の案内を受けられます。
疑問3「検事から弁護士は多いのに、逆が少ないのはなぜ?」
検事を辞めて弁護士になる人に比べて、弁護士から検事になる人は少ないのでは、という質問です。実際の人数は公表されていないので、多い少ないは言えません。
ただ、弁護士任官には、おおむね3年ないし15年程度の弁護士経験という目安があります。検事として少なくとも3年程度勤務できることも求められるので、タイミングを考える必要がありそうです。
検事と弁護士のどちらに進むにしても、最初の入口は司法試験です。法科大学院か予備試験か、独学か講座を使うかも含めて、早めに試験の全体像を知っておくと選択肢が広がります。
司法試験・予備試験の情報
検事をめざすなら、まずは司法試験・予備試験の全体像から
検事になる入口は司法試験です。受験資格の3つのルート(法科大学院・在学中受験・予備試験)や試験の日程を公式の案内で確かめて、自分に合う勉強の進め方を考えてみてください。
無料司法試験・予備試験の案内を見る試験の日程・受験資格は法務省の最新の案内でご確認ください。
よくある質問
元検事の弁護士とは何ですか?
検事として働いたあと、検事を辞めて弁護士として登録した人のことです。ふだん「ヤメ検」と呼ばれることもありますが、法律の言葉ではありません。
検事は弁護士資格を持っていますか?
司法試験と司法修習を経て検事になった人は、弁護士になる資格を持っています。ただし、弁護士として活動するには、日弁連への登録と弁護士会への入会が必要です。
弁護士から検事になれますか?
なれます。法務省は、弁護士経験がおおむね3年ないし15年程度の人などを対象に、書類審査と面接試験で弁護士からの検事任官を受け付けています。
副検事から弁護士になれますか?
副検事の経験だけで弁護士の資格が得られるという公的な説明はありません。弁護士を目指すなら、司法試験に合格して司法修習を受けるのが基本の道です。
訟務検事は弁護士とどう違いますか?
訟務検事は、国が当事者になる民事・行政訴訟で国の代理人として活動する検事です。仕事は弁護士に近いものの、身分は国家公務員の検事です。
まとめ
- 元検事の弁護士は、検事を辞めて弁護士として登録した人のこと
- 司法修習を終えた検事は、弁護士になる資格を持っている
- 弁護士から検事になる弁護士任官や、検事に戻る再任官の制度がある
- 副検事・特任検事は、選考や考試でなる道で、弁護士資格とは別の話
- 訟務検事は国の代理人として裁判を担当する検事





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